2001年4月から -2ページ目

日本をあきらめない

国会ウオッチャーとして代表質問での小泉首相と前原民主党代表の初対決をインターネットで見ていた。感想としては小泉余裕。壇上でゆっくりと水を飲んだり、民主党のキャッチフレーズをもちいて皮肉を言ったり。しかも、自分で面白い事をやっていると思っているくせに(実際に面白いかどうかは別にして)、自分から笑い始めることなく、そしらぬ顔をして演説をぶっている。彼は本当に役者であり、国会は小泉の一人芝居である。 それに比べて、闘う姿勢を明確にしようともくろむ前原氏は、緊張のせいかかみまくり。3分の2が与党で、野次もひどく、大変そうだった。 結果としては小泉の叫び声や暴言も聞けず、前原代表よりも岡田前代表の時の方が見ていて面白かった、と思う。 それにしても、俺に野次を言わせてくれたら、相当上手いと思うんだけど。

越前市長選

越前市長選自民県連、池端氏を公認

 武生市と今立町の合併に伴う越前市の市長選で、自民党県連は28日、立候補を表明している新人で医師の池端幸彦氏(50)の公認を決定した。政党公認で首長選に臨むのは県内では異例という。

 市長選には、池端氏のほか、元民主党県連副代表の奈良俊幸・武生市長(43)=無所属=が立候補を表明している。

 池端氏は「労働組合の応援を受けている現職との対立軸を鮮明にして政権与党とのきずなを強調し、小泉首相が小さな政府を目指すように、小さな自治体を目指したい」と話している。

 一方、奈良氏は昨年10月に民主党を離党しており、「私の支持者には各党の党員、支援者がいる。住民に最も身近な自治体の代表としてふさわしい“市民党”を貫きたい」と話している。

2005年9月29日 読売新聞)
改革は前に進んでいるのか?

自転車しんどい

10歳男児車盗み30キロ

滋賀、「自転車しんどい」

 25日午後4時25分ごろ、滋賀県草津市新浜町の県道で、子どもが軽乗用車を運転しているのを巡回中の警察官が見つけた。車は盗難車で、彦根署は運転していた同県彦根市の小学校5年男児(10)を補導した。

 男児は彦根市の駐車場で24日夕、軽乗用車を盗み、車内で仮眠を取りながら運転。約32キロ離れた草津市の現場まで行ったという。事故は起こしていなかった。

 「外へ出たら風が強く、自転車だとしんどいと思って車を盗んだ。自宅の軽乗用車を運転したことがあった」と話したといい、同署は家族からも事情を聴く方針。

 調べでは、車は彦根市の男性団体職員(30)が24日午後5時ごろ、キーを付けたまま止め、同8時半ごろ、なくなっているのに気付いた。

 近くで男児の自転車が見つかり、彦根署が盗難車手配し、男児を捜していた。

http://www.kenmin-fukui.co.jp/00/detail/20050925/fls_____detail__079.shtml

パーク・ライフ

旅の途中のある街である女に出会った。彼女はその街を案内してあげると誘ってきた。そして僕たちは歩き始めた。


まず彼女は僕を港に連れてきてくれた。もちろんここはもう海まですぐそこの場所だからこの街の端である。ここから北の方に丘が見える。このたいして大きくない街には高いビルがなく、街を見渡したければこの丘に登るしかないとの事。その丘には公園があって季節ごとに花々が咲き乱れ綺麗だと彼女は言った。


丘の上の公園にたどりつくと、そこから街がよく見えた。僕はその街の向こうの、その港の向こうの、森に覆われた小さな島を眺めた。彼女は咲き乱れ、今まさに枯れ始めようとしている花に顔を近づけた。


僕たちはフレンチレストランで夕食を食べた。未成年の僕に美味しいワインの味を教えてくれたのは彼女だ。僕たちは二人でいくら払ったかわからないぐらいワインを飲み、勢いよく店を出た。普段ならタクシーを使って帰る距離を僕たちは歩いて彼女の家まで帰ることにした。


酔いのあまり、帰り道、僕は何を話したのか覚えていない。とにかく僕たちはよく喋り、そしてよく笑った。途中で小川が流れており、僕たちは小さな橋の袂に立ち止まりその音を聞いていた。

吉田 修一
パーク・ライフ

高瀬川

空には暗澹とした雲が流れていた昨日とは異なり、今日はただ青空が目の前に広がり、夏の初めとも夏の終わりとも思えるような一日になりそうだった。


僕は母親の古びた軽自動車を借りると、海へと一人出かけた。海に至るには峠を越えなければいけない。自分ひとりで海に行ったことのない僕は、おそらく道をあやっまた様で、やけに曲がりくねった道が続く。

峠を本当に越すことができるのか不安になるほど車は音をたてながら、それでいてスピードはでていないのだが、僕はシフトを必要にあわせて曲がりくねった道を行く。多くの車が僕を抜いていく。


道には車のブレーキの後が痛々しく残り、それに比べて今聞こえてくるのはただ己の軽自動車のエンジン音だけで静かだ。そして、海は見えてこないが、道は下りに入った。


やがて見えてきた海は太陽の光を受けキラキラと光り輝くが、なぜか砂浜には人の姿は見えなかった。僕は車を止め、何気なく砂浜を歩いていたが、なぜか胸騒ぎがした。


砂浜にビール瓶が一つ捨てられていた。僕は瓶を手に取ると、周りに誰もいないことを確かめ、それをできる限りの力を込めて海に投げ入れた。


なぜか僕の手は性器の匂いがした。


平野 啓一郎
高瀬川

海自潜水艦6隊員、大麻・合成麻薬の所持容疑などで逮捕

海自潜水艦6隊員、大麻・合成麻薬の所持容疑などで逮捕

2005年09月25日06時03分


 海上自衛隊第2潜水隊群(横須賀基地、神奈川県横須賀市)を中心とする潜水艦隊の乗組員に大麻や合成麻薬MDMAなどの薬物が広まっていることがわかった。7月以降、大麻取締法違反などの容疑で神奈川県警薬物銃器対策課と横須賀署に6人が逮捕され、うち5人が24日までに起訴された。逮捕者が所属する潜水艦は5隻にのぼり、隊員の知人と親族の計2人も栽培や譲渡などの容疑で逮捕された。隊員らは大麻草を栽培したり、互いに譲り合ったりしていたほか、他の薬物を外部から購入していた疑いもあるとみられ、県警はさらに隊員らに大麻などが広がっている可能性もあるとみて流通ルートの解明を急ぐ。

 重武装した潜水艦の航行や相手艦の探知などの任務にあたる海自隊員が大麻の所持などでこれほど大量に逮捕されたのは初めて。海自は事態を重視し、特別調査チームを編成して全容の把握に努めると共に再発防止策の検討を始めた。

 逮捕されたのは横須賀基地に所属する「うずしお」乗組員の坂口貴弘容疑者(22)、神戸市で装備を取り付ける艤装(ぎそう)作業中の「やえしお」艤装員市村宣人容疑者(34)ら。

 これまでの調べで、大麻の入手ルートは複数見つかった。県警は、一部は坂口容疑者が北海道内に住む自分の弟(20)=今月22日に同法違反(譲渡)容疑で逮捕=から入手したとみている。

 また、市村容疑者と、「さちしお」乗組員前田大容疑者(29)のそれぞれの横須賀市内の自宅からは、栽培中の大麻草各15本、27本などを押収した。航海で不在の際に備え、無人でも栽培が続けられる水耕栽培用の循環ポンプなども見つかった。市村容疑者は知人女性=起訴=と共に大麻草を栽培。前田容疑者に大麻20グラムを4万5000円で譲渡したとされる。

 県警は、隊員らは互いに入手した大麻を有償や無償で融通し合っていたとみている。

 さらに、前田容疑者は「さちしお」で同時期に乗り組んだことのある「おやしお」乗組員の海士長に合成麻薬MDMA半錠を譲り渡したとされている。MDMAは、東京都内で密売人から入手したという。

 県警は、隊員らはいずれも潜水艦に乗り組む合間に陸上で薬物を使用したとみている。

      ◇      ◇

 〈大麻取締法違反容疑で逮捕されるなどした海自隊員〉 「やえしお」艤装(ぎそう)員市村宣人2等海曹(34)=共同栽培、所持罪で起訴▽「さちしお」乗組員前田大海士長(29)=譲り受け、栽培、所持などの罪で起訴▽同艦乗組員杉本徳海士長(22)=共同所持罪で起訴▽「わかしお」乗組員成田達也海士長(22)=共同所持罪で起訴▽「うずしお」乗組員坂口貴弘海士長(22)=譲り渡し罪で起訴=の各容疑者。

 前田容疑者は「おやしお」乗組員の20代の海士長=逮捕、処分保留で釈放=にMDMAを譲渡したとされ、麻薬及び向精神薬取締法違反(所持)の罪でも起訴された。

 〈キーワード・海上自衛隊の潜水艦〉 海自の潜水艦は、第1潜水隊群(呉基地)所属の9隻と第2潜水隊群(横須賀基地)の7隻、練習潜水艦2隻。逮捕者が出た第2潜水隊群の4隻は89~00年に竣工(しゅんこう)、やえしおは06年3月に竣工予定。いずれも基準排水量は2250~2750トン、全長76~82メートル、水中速力20ノット、定員70~75人、魚雷発射管6門を備える。海上交通路の安全確保などを目的に航行し、有事の際は主要な海峡などで敵艦船の通過を阻止するのが大きな任務の一つとされる。

http://www.asahi.com/national/update/0925/TKY200509240225.html


これは小説の題材になる。

グランド・フィナーレ

僕の隣ではおっさんが、一人、やけに頭をがんがん振っている。おっさんの前では、初めて会った若い男が、ライトを一定のリズムにのって、そしてそのリズムを規則的に変えて、振っている。おっさんは振っていた頭を止め、商店の合わない目で光を眺めていた。僕の座っているソファの近くでは、別の男が手に何か透明な液をぬっていて、締め切られた窓のあたりでは僕が聴かない音楽にのって女が踊っている。そのかわいくもないが、やけに若い女の踊りを眺めていたら、おっさんの奇声が聞こえなかった。


まだ夏なのに締め切られた部屋は薄暗かった。


数人の男女がキッチン近くのテーブルを囲んでいる。そのうちの一人が煙がもったいないから窓を閉め切っているのだと教えてくれた。僕をそこに連れてきてくれた友人は別の部屋で女の子と一緒にビデオを見ているのを、トイレに行く時に見た。


僕はソファに沈み込み、いったいこれがいつまで続くのか考えていた。まだ僕たちの夜は始まったばかりだというのに。


突然送られてきた手紙には、「青春」について書かれてあった。自分にはやっと「遅い青春」がやってきた、との告白だった。僕はそのことをふと思いながら彼の言う「青春」はいつの間にやら失われていることに気づいた。


ドアを開けて、タバコを吸いに外に出ると、なぜか。

阿部 和重
グランド・フィナーレ


05総選挙 ーその3、新生自民党?ー

ベルリンの壁が崩壊してから国際政治の流れは変わった、とよく言われる。その壁の崩壊から十年以上、とっとと変わらなければいけなかったのに、やっと日本も変わったのかなぁ、と思えるような今回の総選挙。果たしてそれは本当なのでしょうか?


以前から政治に注目していた人、そして立候補までして政治家を目指していた人の多くはベルリンの壁崩壊以降の実は劇的な大変化の匂いをいち早く嗅ぎつけ、改革を目指した。そして多くの人が自民党には改革なんてできっこない、と思ってきた。なぜかといえば、今変える必要があるシステムを構築したのが自民党であり、そのシステムから甘い汁を知って政権の座にずっと居座ってきたのが自民党であるからである。このように自民党には改革はできない、と考えた人は右や左というイデオロギーの違いを無視して(ベルリンの壁崩壊以降、実はイデオロギーの違いなど無意味となったんだけど)新しい、改革を目指す民主党の公認を得て政治家への道を目指したものだった。しかし、結成から何年たっても民主党は政権をとることもできなければ、日本を改革することもできなかった。民主党がもたもたやっているうちに、というか森さんが総理になってこれはやばい、と危機感を持った自民党議員、小泉純一郎、が自民党を壊すと言って自民党総裁になって、総理大臣に就任した。いろいろあったけれど、郵政民営化法案が参議院で否決され、小泉首相は衆議院解散を決断。そしてその総選挙で自民党は圧勝しました。以前からの報道で民主党負けるのかなぁ、程度の予想しかしていなかったのだが、これほどまで自民党が圧勝して開いた口が塞がらない感じが否めない。


先に書いたように自民党に愛想をつかして民主党公認、もしくは無所属で立候補した政治家の多くはこんな方法があったのか、と思っていることだろう。民主党が改革を進める代わりに、本当に小泉は自民党を壊し新生自民党を率いて改革を進めるのか、とある種の焦燥感、無気力を持って感慨深く現在の日本政治を眺めているに違いない。嗚呼、かわいそう。


自民党圧勝は本当に小泉が上手かった、という一言に尽きると思う。よく解散・総選挙という賭けにでる勇気を持っていたなぁ、とも思う。けれどもこれだけ大勝しても、小泉首相はあと1年ぐらいで首相を辞めて、総理の座を後継者に譲るといっている。もったいない、と思う。そして同時にこれだけの議席数を持って次の総理はいいなぁ、と羨ましく思う。しかし、今回の総選挙は小泉総理への信託するかどうかの選挙であったのに、一年ぐらいで彼は総理を辞めて、次の人が3年ぐらい総理をすると思うと何か危うい気がするのは私だけではないはず。私たちは小泉首相の後継者が誰になるのか知らないのである。その次の人にこれだけの絶対的な力を与えて良いのだろうか?


それからもう一つ。欧米の新聞を読んでいると、小泉こそが改革を進める、といった印象を持つが果たしてそうなのか。確かに郵政の民営化はするべきだろう。だけれども、郵政民営化は改革の本丸などでは決してない。小泉首相はそれのみを選挙の争点に仕立て上げたが、イラクはどうなった、年金はどうなった、地方分権は、憲法改正はどうなったと私は小泉総理に問いただしたかった。まだまだ、改革しなければいけないことはたくさんあるのである。


本当に自民党が生まれ変わり、新生自民党になったのか、それは今の時点では分からない。これからずっと見守っていかなければいけないのである。特に誰が次期自民党総裁に就任するのか、これが鍵である。

05総選挙 ーその2、民主党の再生ー

その1で書きましたが、民主党は大敗北。

その直後、岡田さんは民主党代表辞任を表明。小沢一郎が代表戦に出るとの報道でしたが、結局菅直人対前原誠司の代表戦に。結果は94対92の二票差で前原氏が勝ち、代表に就任。


民主党の前原代表という選択は正しい気がします。前原氏は43歳。以前からニューリーダーとして期待され、注目されてきた京都2区選出の議員です。


小泉首相に比べれば華やかさもなく、どことなく暗く、ただまじめそうで、国民うけはよくなさそう。ただ小泉首相に比べれば若い。若いから民主党にとって良い、というわけではないが、政治の若返りが促進されて良い。第一、菅直人に比べればずっとましだと思う。


菅(直人)さんにしても小沢一郎にしても、俗な言い方になるけど、賞味期限は10年以上も昔に切れている。それは(鳩山)由紀夫ちゃんにも言えることだけど、由紀夫ちゃんの幹事長就任は良い選択だと思う。


民主党の内部には考えの違う人がたくさんいます。これもまた俗な言い方になるけど、右も左もいてばらばらです。それはなぜかといえば、これまでの日本政治の対立構造は、自民対反自民の対立であって、自民党に反対する人が集まったのが民主党でした。しかし、総選挙が終わった今では、その構図すら崩れています。


とにかく、前原代表にとってひどく厳し前途であるとには間違いありません。


かつて大前健一氏は日本国民の選択は「大きな政府か小さな政府」であって、右か左かのイデオロギーの選択ではない、ということを言いました。多くの国民が望んでいることは改革であり、変化である。しかも日本国民が必要としているのは小さな政府である。このまま肥大化した官を維持しているのでは財政が持ちません。というか、もうすでに国の財政は破綻しています。とにかく、官から民へ、中央から地方へ、という流れを加速させて国の役割を小さくするしか方法はない。この小さな政府を目指す改革の本丸に郵政民営化をすえたのは小泉首相ひきいる自民党であり、民主党ではありませんでした。民主党の課題は、どれだけ改革政党としてのイメージを回復するか、である。そのためには民主党内部にいる、小さな政府への改革に反対する議員を民主党からはじきだす、厳しい決断が必要になる時が来るかもしれません。


福井出身の私として、以前から思っていたのは、民主党の地方組織の弱さでした。都市部では地方に比べ無党派層が厚く、比較的民主党公認候補が当選しやすい状況でした。また、「一区現象」にいわれる、比較的無党派層が多い一区では、民主党が勝ちやすかった。しかし、今回は違いました。無党派層は、所詮無党派層で、彼らの多くは今回、民主党ではなく自民党に投票しました。そして都市部に比べて無党派層の薄い地方では、民主党はぼろぼろでした。そのような地方では、自民党の組織は強固です。それに比べれば民主党の地方組織はなきに等しいもの。例えば、福井では小選挙区すべてで自民公認法穂が当選、辛うじて比例によって一人民主党候補が当選したに過ぎません。似たようなことは石川でも、山形でも、青森でも、島根、鳥取、山口でもみれらました。自民党のような強固な支持組織をどう民主党が作るのか、それは民主党の課題ではないでしょうか?ちなみにアメリカでも、共和党の組織が強いのに、民主党の組織はきわめて弱いという似たような状況です。


ネットをぶらぶらしているといろいろ民主党批判が見られます。前原代表批判も多いです。その批判の多さから見て、それだけ民主党に期待していて、今回は一体何やっていたんだ、という批判のように思います。


私がどうこう言わなくても、今民主党は必死で党再生への計画を練っていることでしょう。また、所詮部外者の私には見えてこない問題も多いと思います。とにかく、これから民主党がどう再生するのか楽しみです。

05総選挙 ーその1、民主党の惨敗ー

夏にある民主党議員と会う約束があって、お話をしてきました。会話の要点は3つ。

1)実は民主党も自民党もあまり違わない。その人も別に自民党でもいい、様なことを言っていた。

2)今は若い政治家が当選しやすい時。その人も初当選したのは29歳の時。

3)バカなうちに立候補したほうが良い。

おそらくこの三つは今回の総選挙の本質を上手く言い当てているような気がする。もちろん、この前の夏の時点では、小泉首相が国会を解散して総選挙があるなんて想定していなかったが。


民主党は今回の総選挙で惨敗した。政権選択の選挙なんていっていたのがウソのよう。小泉首相はこの三つの要点を上手く利用したような気がします。実際、あれだけの状況だったら、どんな人でも自民党公認だったら当選するぐらいの勢いはあった。民主党も自民党もあまり違わなければ、どっちでも良いと言うこと。小泉首相は若い候補者をたくさん擁立しました。比例で当選した26歳の杉村太蔵議員はそういう意味で象徴的でした。また、バカでも当選できるのというのは「この人どうなの?」という人が多く擁立され当選しました。


これまで民主党は「若い」ということをうりにしてきました。しかし、そのお株を自民党にそっくり持っていかれた。ついでに女性の刺客も多く送り込みました。以前の「じいちゃん」政党、自民党、にとっては考えられないことです。


小泉議員が総理に就任してからは民主党はやられっぱなしだった。首相が小泉対族議員の構図を上手く利用して民主党が入り込む余地をなくしたからです。ついでに今回の総選挙では「自民党こそが改革政党であり、民主党はそうでない」というメッセージを強烈に国民に植え付け、以前から改革を訴えてきた民主党のイメージを崩しました。


これは小泉首相が上手い、というのもあるが、岡田前代表が下手だった、ということだと思います。小泉は郵政について誰よりも本気でした。民主党は与党案に対案すら出さず、ひたすら反対の姿勢を貫くだけでした。国民の郵政への関心はあまり高くなかったのは事実です。国民は年金問題などへ強い関心を示していました。けれども小泉首相のつくった流れは滞ることなく国民の問題を郵政問題へと持っていきました。参議院で郵政民営化法案が否決されたあと、解散・総選挙が決定的になってから、対案を示したがあきらかに遅すぎ、そして民主党がぶれた、との印象を国民は持ちました。一連の郵政民営化に対する民主党の対応は明らかに間違ったものでした。そしてその代償は民主党にとって、そして日本にとってあまりにも大きかったような気がします。


解散直後から、選挙区の状況は相当やばいとの情報を得ていました。そしてその悪い状況は新聞各社の世論調査で確かめられました。で、結果は自民圧勝、民主惨敗でした。「民主王国」と呼ばれていた愛知県でさえ、9対6で自民の勝ち。東京の小選挙区では菅さんが辛うじて勝ったのみ。神奈川県の小選挙区では民主惨敗。都市部で民主党が勝てなかったのなら、地方では惨敗です。辛うじて北海道は8対4で民主党が勝ちましたが、結果は民主党は議席を60以上減らす敗北。落選した議員の中には民主党のニューリーダーと呼ばれる人もいました。


はたして民主党はどうするつもりなのでしょうか?