暑さも和らぎ寒くもなく
とても良い季節のある日
私と母は石川県の倶利伽羅不動寺の
駐車場に到着しました
母と一緒に少し階段になっている
坂道を歩きながら本堂へと向かいました
季節柄の気持ち良い風を感じながら
深呼吸して歩いていると母が
「いつもよりパワーが増して感じるね
ご開帳の期間って
いつもより参拝される方が多いでしょ？
やはり参拝される方が多いと
神様仏様の力が増すってわかるね
境内が喜びに満ち溢れる感じがする」
と話しました
私はそう言えば規模は違いますが
長野県の善光寺のご開帳の時にも
母はそのように話していたのを思い出していました
そして本堂に到着すると
早速ご開帳に参加させて頂きました
ご本尊に参拝する際は
係の方も近くにいらっしゃり
そんなにゆっくり拝むことはできません
もし他の方がおられる場合は
ゆっくり参拝していると
先に進まず迷惑がかかりますが
この時は他の方がいらっしゃらなかったので
ゆっくり参拝させて頂くことができました
ご本尊を前にした母の様子が知りたくて
私は母をチラチラ見ていました
母は眩しいものでも見ているかのように
細めた目でジーッと一点を見つめ
その後は静かに目を閉じ
手を合わせていました
そしてお参りを終えた私は母に
「ご本尊、どう感じた？」
と聞いてみると母は
「それがねぇ
静かにドンッと構えられてて
最初何も感じられなかったのよ…
だから私から
『龍神様、龍神様…』って
お呼びしてた
本当は龍神祝詞上げようと思ったけど
あの場ではさすがにゆっくりと
龍神祝詞は上げられないからね
そしたらしばらくして
龍神様が出てこられたの
そんなに大きくないけど
あの剣のようにまっすぐに伸びた龍神様で
色はキレイなシルバーだった
何て言うかベールが掛かってるようにも
見えてとても綺麗だったよ
とても力が強く
うしろから不動明王様を守られている」
と言いました
やっぱり龍神さまが
いらっしゃったんだと思った私は
「龍神様が不動明王様の別のお姿って訳ではないのね」
というと母は即座に
「違う…
先に龍神様がいらっしゃって準備を整えてから
不動明王様をお迎えして
不動明王様の後ろに移動し守っている」
と言ったのでした...
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