はぐれキツネが取り憑いておかしくなり
最終的に行方不明になってしまった
占い師のS先生は
最初はちゃんとした占い師で
私たちも信頼して
何度か相談していました
ちょうどそのころ妹のももが
大阪の学校に通うため
下宿することになりました
S先生にこのことを相談すると
「ももには観音様とご縁を感じる
守って貰うために
観音様を持っていったほうが良い」
と言って
ももに観音様をすすめられました
この事は母がひらいた後に
「もものことを思うと
観音様を感じるのよね」
と言っていてそのことを思うと
「Sさんはおかしくなっちゃったけど
最初からでたらめを
言ってたわけじゃないのよね」
と言いました
母はその時、娘のももを
大阪に出すことを心配し
S先生に言われるまま
観音様を購入してももに持たせたのでした
高野山のお坊様にお願いして購入した
観音様に魂も入れて頂き
ももはその観音様と一緒に
大阪に旅立ちました
それから数年経ち
S先生とも疎遠になり
ももはその時には実家に帰っており
ももが持って行った観音様は
そのまま母が大切に管理していましたが
そのことも忘れていたころ
ももが結婚して実家を出ていきました
その間も母はいつも
その観音様に手を合わせて
観音経をあげていました
ある日その姿を見たももは
「これは私が大阪に
持っていってた観音様だよね?
このところ私も毎日
観音経を上げてるから
家に持って帰りたいんだけど」
と母に言うと
「そうね
これはもものために
作って頂いた観音様だから
ももが持っているといいのかもね」
と言って母は観音様に手を触れました
すると...
「あら
観音様がイヤだって
ここに居たいんだって
顔を横に向けたよ
アハハ!
こんなの初めて見た」
と母は笑いながら言いました
当のももは
「観音様がそんな事言うなんて…
と思いとても悲しかったけど
考えたら観音様も母の方が
居心地が良いんだろうね」
と寂しいけど納得していたのでした
こちらがその観音様です
母は毎日こちらの観音様に
観音経を上げて大切にしています
私もこの写真を撮らせて頂くため
久しぶりにしっかりと見ました
以前はなんだか物悲しく感じてましたが
この時はとても生き生きと見えました
母のおかげでしょうか