「日銀の財務悪化が通貨の信認を損なうことがない」というのは本当か | 初心者大家のブログ

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2011年に2棟のマンションを買って2015年、55歳で早期リタイア。こよなく愛する福岡のこと、愚痴めいた経済コラムも書いてます。

6月16日、日銀は「9カ月連続で金融緩和の維持」を決めました。日経のこの書き方もおかしいけどね。だって金融緩和の維持はもう4年続いているし( ´(ェ)`)

 

それより気になったのは、黒田総裁が「日銀の財務悪化が通貨の信認を損なうことはない」と言い切ったこと。6月17日付の日経本紙の会見要旨を読むと、その理由として「中央銀行は継続的に通貨発行益が発生する立場にあり、長い目で見れば必ず収益を確保できる仕組みになっている」と述べていますね。

 

私は以前、通貨発行益を誤解している人が多いと書きました。

 

通貨発行益に対する大いなる誤解

 

簡単にいうと、通貨発行益とは「1万円札刷ったら印刷費除いた分」ではなく、1万円札は日銀から見れば民間銀行に対する負債(借用書)にすぎないので、それを使って運用(大半が国債で、残りがETFやらJリートなど)した利益の総和が通貨発行益であるということです。それが経済学の常識です。しかし、日本の場合、その国債の利息が今はほぼゼロなんだから通貨発行益はないも同然。おバカなエセ経済学者ならともかく、財政のプロたる黒田はんが誤解しているというのがなんかもうね。ほんと、怖いですよ。

 

はっきり言います。このまま、財政再建ができず、高齢化などで個人の金融資産が減れば、日本は大変なことになります。その可能性は日に日に高まっています。今すぐはないでしょうけど、早ければ2020年のオリンピック後でしょうね。

 

政府は9日に閣議決定された「骨太方針2017」で、財政健全化目標を「国・地方を合わせた基礎的財政収支(PB)について20年度までに黒字化、その後の債務残高対国内総生産比の安定的な引き下げを目指す」のうち、「その後の」を「同時に」に後退させました。こんな調子ではPB黒字化は20年度には間違いなく達成しません。

 

その時点で個人の金融資産がどうなっているか。もし、かなり減っているようだと、「ヤバイ」です。オリンピックが終わるとほぼ例外なく不況が来ます。前回の東京オリンピックの後には証券不況(昭和40年不況)というのがありました。株価も大幅に下がるでしょうね。そうなると個人の金融資産は大幅に減る可能性があります。そして・・・

 

煽るつもりはありませんが、少ない金融資産で早期リタイアを考えている方、できることならオリンピックが終わる2020年秋まではリタイアするのを我慢したほうがいいと思いますよ。あと2年半。その間に少しでも金融資産を増やしておいてください。