北朝鮮がまたミサイル発射をし、尖閣諸島の周りを中国漁船(?)が日々操行し、日本の周りがきな臭くなっている様に思えるのすが、日本ではどの様に報道されているのでしょうか。
距離的には日本よりは随分離れているオーストラリアの方が、警戒している様に感じられます。豪州のテレビが「台湾有事に備えよ」と言う風ににシフトし始めましたので、以下考察をいたしました。
ここ数日、豪州テレビの人気キャスターが投入され、「台湾、中国、北朝鮮」の特集が続きます。普段はスポーツや日々のニュースを報道するキャスターが、台湾について語るのが興味深い。 そして台湾外務大臣の「台湾は最後まで戦う」と言うコメントが頻繁に流れています。
アメリカと中国の衝突が台湾で起こるかもしれないと言うことを国民に知らせようとしているのでしょう。ドキュメンタリー内でも言っていましたが、「中国が台湾侵攻した場合にアメリカが介入しないのではないか」と言うのが豪国民にとっては一番の懸念でしょうね。
一方誰がみても明らかな様に、豪州は地形上必ず巻き込まれます。 第二次世界大戦の様に、前線として本土襲撃を受けるのは米国ではなく豪州。 代理戦争であったベトナム戦争でも豪州は距離が近いためたくさんの兵士が派兵され、PTSDを発症。
戦史を見ると、豪州はアメリカにいつも引きずられています。戦争を始めるのはアメリカ、しかし豪州は巻き込まれて多くの死傷者が。 遠い地域の紛争のアフガニスタンでもたくさんの豪兵が亡くなっており、ベトナム戦争あたりから、「自分たちは何のために戦っているのか?」と言う自問がある様です。
また現状、中国が豪州を敵視しているのは誰もが知っていること。豪州にとっては台湾を挟む緊張状態は「人ごとではない」と言うのがひしひしと伝わってきます。
自衛ではない戦争、巻き込まれた戦争に懲りている豪州、は同じ間違いを繰り返したくないと言う思いもあるのでしょう、番組の作りが全く煽りを感じない。(日本で過去に朝日新聞が戦争を煽った様な状況を心配する人もいるかもしれませんが全然違います、冷静です。現実の危機を伝えていると言う感じ)
この姿勢で日本も報道してくれないかと思いますが、日本のメディアは「日本が戦争を仕掛けること」ばかりを心配していて本当に現実感がない。その原因は日本が過去の戦争についてきちんと学んでいないから、「戦争反対と叫べば戦争は起こらない」と思い込んでいる人たち。世界情勢をみてください。
幸いなことに、豪州はは現実の危機に直面していることを自覚し始めましたので日本の保守派はこれを活かすべき。 台湾の外務大臣が「中国は自国の問題から目を逸らすために古典的な方法、国外に危機を作り出すかもしれない、そのスケープゴートに台湾を使うだろう」と。(日本もかつて経験がありますね!)
他所の国の過去の戦争の発端なんて普通は興味がないでしょうが、自分たちが似た状況にあれば、戦争突入を避けるために研究してくれるでしょう。 当時の様子を理解してくれれば日豪の和解はと信頼はさらに深まると確信しています。豪州は英語圏の一角の重要な国、非常に心強い味方になること間違いなし
現在、日本と豪州は置かれている立場が非常に似ているのです。情報交換、協力関係を強化すべき! と連日の中国、台湾、北朝鮮報道をみていて強く確信いたしましたよ。
ちなみに豪州が受けた本土襲撃というのは日本軍からです。これを機にぜひ日豪の戦史についても知ってくださいね。 → 豪州北部準州で発行された歴史文書への寄稿文(和訳)
それではいつも読んでいただきありがとうございます。