最近、障害のある人へ折り紙とアクセサリー作りを教える仕事をしています。体に障害がある人や、知能に遅れがある人もいるよう、それから自閉症らしき人もいますが、皆専属ケアをする担当者がいるので、私はもっぱらワークショップに専念。
最初は恐る恐る折り紙から始めてみたのですよ。どれくらいのレベルの人が来るのか、また何人来るのかわからないのですからね。そのうち段々と折り紙&ビーズの組み合わせなどにステップアップしてやってみました。週一回のクラスですが、やっているうちに折り紙が好きな人やアクセサリー作りが好きな人がだんだんわかってきましたよ。
ケアサービスを受けているのはアボリジニの人たちが多いのですが、やはり彼らはアートの才能ありますね~ 予想していたことですが、それ以上の才能で驚きました。あまり会話もできないし、日常のこともなかなかできないことが多いので、世話をされている人たちなのですが、ビーズを目の前にすると、ちょっと作り方を教えただけで、自分の好きな色を選んでどんどん作り始めます。2時間半のクラスですが、一心不乱、休憩を入れないと体が固まってしまうのではないか?と思うくらい集中している人もいいます。
みんなそれぞれ障害の程度が違うので、作れるもののレベルはまちまちなのですが、特に印象的だったのがアボリジニの男性、見た目はごつくてまるでゴジラのようなのですが、その彼に自由に作ってもらったら、なんと!全部ピンク系のブレスレット。顔だけでなく、手も大きいので、ビーズの入った仕分け箱に指が入らないのピンク色をとることができずストレスのあまり「ウガァ」とか言ってため息をついている様子もかわいらしいのです。
お母さんにあげるのだそうです。顔写真は載せられないので手だけです。
他にこちらも、アクセサリー作りが好きすぎて、時間いっぱいまで作って家でも作っているアボリジニの女性もいて、こちらも類稀なる才能を発揮してくれて、教えている私も楽しくなります。といってもデザインは全く自分で考えて、留め金の止め方とか、ここにはこういうタイプの糸を使ったらいいよ、とか技術的なことだけです。デザインの才能は全くかないません、別世界、アナザーワールドの人たちです。
こちらはとてもかわいらしい女性です、左手にはめているのも自分で作ったそう、素晴らしい。
この人たちの才能を何とか活かせないか、また最近アボリジニの人たちのアルコールがらみの犯罪が増えてしまって、彼らに対して悪感情を持っている人たちが増えてしまったので、流れを変える方法はないかと考え、彼らがアクセサリー作りをマーケットで行って、販売できないかと考えています。特にゴジラみたいな強面のアボリジニの男性が、背中を丸めてビーズを選んで、アクセサリー作りをしている姿を見たら、彼ら本来の性格である、”平和的で美しいものが好きな、おおらかな人たちである”というのが伝わるのではないかなと思うのですよ。
今シティで店のガラスを割って、侵入しているのは皆お酒を求めているのです。仕事は続かないし(彼らにはお金と交換して仕事をするという習慣がなかった)、各地にあるアボリジニコミュニティには禁酒地域となっているので戻ることもできないし、お金はないし、でレストランを襲撃するという事を繰り返しているのです。
アート関係者と、障碍者ケアのグループは独立していてなかなか接点がありませんので、彼らを繋げて、彼らに活躍する場を作ることができればと思っています。という事で本日今から、アート系の関係者に相談に行くところです、ああもう行かなくては!