ジュクコ先生こと長谷川智也氏のブログ記事で、理科教育について述べられているので、リブログさせていただいた上で、自分の思うことを書いてみようと思います。


▶️このブログの目次みたいなもの🐽


ジュクコ先生のブログの前半で紹介されている、高校別の東大合格者ランキングは、「どんな環境にいようが東大に合格できる生徒」を中学受験時に学校が奪い合っているだけ、環境次第で合否が分かれる生徒は、学校ではなく鉄緑会のおかげで合格できた、という気がしなくもないです(笑)。


本ブログの参考記事





本稿の主題はそこではなく、ジュクコ先生のブログ後半で述べられている理科教育についてです。

私立中学の公立中学に対する優位点として、よく数学と英語の教育が取り上げられますが、ハード面でもソフト面でも最も差が出るのは、実験を伴う理科教育なのかな、とジュクコ先生のブログを拝見して思いました。


私立中学の学校説明会に行ったことがある方ならよくお分かりだと思いますが、昨今の私立中学では、男子校、共学校は言うまでもなく、女子校でも、理科教育と理科の実験設備をアピールポイントにしている学校は多いです。ビジュアル的にも、実験設備の充実は生徒・保護者に訴求しやすいですし(笑)。


自分(ロースかつ)は「理系の優秀な学生を増やしたい」という見果てぬ夢を見て、かれこれウン十年になります(笑)。どうやったら生徒が理科ができるようになるのかそれなりに模索してきて、最も有効だと思われる方法が、


本人が理科を好きになる


ことだと考えています。これほどに「好きこそものの上手なれ」となる分野は他にないのではないかと思いますし、逆に「理科が好きでない人間」に理科教育をして成果を出すのは不可能だと思っています。

そして、理科が好きになる一番のきっかけは、


実験・観察をやってみる


ことだと考えています。天体を観測する、地形や岩石を実見する、生物や生体組織を観察してみる、化学実験をして化学反応の色・熱・匂いなどを体感する、物理の実験では理論を高い精度で再現できる(ものもある)など、理科の実験・観察は理科への興味に繋がり、そこから「理科が好きで得意な生徒」に勝手になっていきます(笑)。また、これは本で読む、動画で見るより、自分でやってみる方がずっと効果的です。


そして、この理科の授業で実験・観察にソフト面(指導役)でもハード面(設備)でもリソースをかけることができ、実験主体の授業を成り立たせられる生徒が揃っている(安全上の理由からやるなと言っている禁止事項をやらない程度の知能がある)私立中学には、理科教育で大きなアドバンテージがあると言えます。


理科教育での優位性と、数学のカリキュラム上のアドバンテージを考えると、大学入試における理系の上位層に私立の中高一貫校が占める状態は当面続くのかな、という気もします。いつものことながら、公教育がこれでいいのか?とは思いますが。



ご参考

東大の女子率を上げる方法

正攻法で東大の女子学生を増やす方法の提案です。


中学受験に役立つ?理科の与太話

中学受験の理科関連で、自宅でできる実験も紹介しています。


中高の数学を俯瞰してみる(後編)

中学高校の数学のカリキュラムを見ると、私立の中高一貫校の優位性がよく分かります。