追記
東京版を作ってみたので、初稿を「近畿版」にして、データとグラフを差し替えました。

東京版


マンガ「二月の勝者」の序盤(第9講:三月の集合、コミック第2巻)に、中学受験と高校受験の偏差値の図があります。これをもう少し精緻化してみようと思い、モデルを作りグラフ化してみました。

学年全体モデル
偏差値50を中心とする標準偏差1.10の正規分布の集団

中学受験層モデル
偏差値63を中心とする標準偏差0.75の正規分布の集団、学年全体の10%がこの層に含まれる

高校受験層モデル
学年全体-中学受験層

各パラメータの統計的根拠は深く突っ込まないでください(笑)。

・学年全体の上位の20%くらいの学力の生徒が中学受験に参入する⇒中学受験層のセンター値を、学年全体の偏差値63くらいにしてみる

・中学受験参加率10%だと、上位層でも半分くらいは受験しない⇒上位層が半分くらい公立中学に進学するように、それぞれの集団の標準偏差を設定

近畿圏の受験率10%を再現できるようパラメータを決めました(笑)。


学力分布概念図(近畿)


このモデルだと、高校入試受験層の偏差値-2 ≒ 学年全体の偏差値(例えば、高校受験層での偏差値50は学年全体での偏差値48相当)になります。

このモデルで、同じ学力の人間が中学受験層と高校受験層でどのような偏差値になるか、という計算結果が次の通りです。高校入試の偏差値は、学年全体偏差値に+2のオフセットを乗せてあります。

中学入試:60→高校入試:72
中学入試:50→高校入試:65
中学入試:40→高校入試:58

くらいになり、まあ世間の相場観もこんなもんだよね、という感じです。モデルとしては悪くない感じでしょうか。(自画自賛(笑))

中学受験層が10%抜けた高校受験層と学年全体のグラフを見比べると、「中学受験で上位層が抜ける」ってこういうことだよ、というのがよくビジュアル化できているので、モデル計算してみた価値はあったかな、と思います。