1年前に書いた、「元」中学受験生男子の弁明の続編です(笑)。

※あくまでも個人の戯言です(笑)。

自分が学生の頃から思っていることですが、「勉強ができる男子」と「勉強ができる女子」って、学習に対するアプローチがかなり異なる気がします。そんなわけで、ご自身が「勉強ができる女子」だったご母堂様にとって、ご子息の「理解できない言動」に手を焼いている方も少なくないと思います(笑)。

本稿では「元」中学受験生男子、「元」中2病男子(こっちは「元」でない可能性もありますが(笑))として、男子がどういう風に考えているか、という例を紹介したいと思います(笑)。


「考える」のは楽しい、「覚える」のは苦痛

知識分野など「覚えれば点数が取れるのに何故覚えないんだ(怒)」とキレているご母堂様は少なくないと思います。思考力が先行する生徒(これは男子に限らない)だと「考える」ことは楽しいのです。そしてそういう生徒は「覚えておけばよい」ことでも考えれば出てくることがあるので、「覚える」のは面倒です。
また「覚える」プロセスは、一部の天才系を除いて、回数の多寡はあれど「繰り返し」が必要なので、「未知の問題を考える」のに比べて「既知の問題を繰り返す」は苦痛でしかないのです。

さらに、ご母堂様には理解できないかもしれませんが、ある程度勉強のできる男子の世界では

思考力に優れている>>記憶力に優れている

という価値観があり、「考えるのが速い、他の人間が解けない問題が解ける」のは尊敬の対象になりますが、「いろいろなことをよく覚えている」のは「ないよりマシ」程度の扱いだったりします。

この思考力重視の価値観が、男子の暗記分野軽視につながっているとともに、「暗記分野を手堅く固めて点数をとってくる」タイプへの反発に繋がります。(偏見と言われるかもしれませんが、男子より女子の「優等生」にこのタイプが多いように思います)テストの点数が取れるにしても「思考力問題ができた上で、知識問題もできる」のが理想なので、目先のテストの点数を取るために覚えろ、というご母堂様には反感を持ちます(笑)。

また、思考力の必要な問題は「頑張らないとできない」と理解していますが、記憶力の必要な問題は「やればできる」と舐めています(笑)。知識問題は「やればできることをやってできるだけ、そんなの全然凄くない」と思っています(笑)。


物理選択>>生物選択、というカースト制度

男子の世界では、記憶力より思考力が重要視される、という話を前項でしましたが、この帰結として理系男子の世界では「物理選択>>生物選択」という明確な「カースト」が存在します。大学入試で理科2科目を必要とされる場合、1科目目は化学にして、2科目目を物理と生物から選ぶ場合が多いのですが、男子は物理選択の割合が高いです。将来医学部に行こうという場合でも、です。

物理:思考力が必要とされる科目。できる奴は偉い!!
生物:記憶力重視で、物理から逃げた生徒が選択する科目

良し悪しは別として、こういう価値観があります。試験戦略としては、ある程度以上の実力がないと全く解答できない問題がある物理に対し、満点はないけど0点もない生物の方が「手堅く」得点を取ることが可能なので、生物を選択した方が大学入試では有利な生徒も少なくないと思います。しかし、「思考力が試される物理を習得して入試を突破すること」が重要であり、単純に「合格点最低点を越えて合格すればよい」ではないのです。

そんなわけで、大学に入った後は、生物選択で入学した学生は、肩身の狭い思いをします。「思考力に優れる」というのは、男子の中でそれだけ価値のある能力なのです。


結果よりプロセス重視

結果に至るプロセスの正当性に拘るのも、男子の特徴かもしれません。女子の勉強がガチでできる層も似たようなものですが、男子の場合はガチ層でなくてもその傾向があります。

例えば「分からなくても試験では解答欄を埋めろ」というアドバイスをする保護者は少なくないですが、「自分が導き出した、自分が正しいと考えている答え」以外の答えを記入しろと指示されている点で、「分からなかったら他人の答案をカンニングしろ」と言われているのと大差なかったりします。「分からない問題は空欄で答案を出したい」というのは彼ら・彼女らの矜持でもあります。

加えて、「正当なプロセス」を経ないで「結果」を手にしようとする人間は、軽蔑の対象になります。塾で復習テストの過去問を買ってきて対策している生徒、カンニングする生徒などは言うまでもなく、入学試験でも内部進学、推薦入試、編入学など「学力選抜試験を経ないで入ってきた学生」は色眼鏡で見られます。

つまりは「結果が同じでも、プロセスによって価値は異なる」のです。これを「人生は状態量ではない」と表現した人がいますが、言いえて妙だと思います(笑)。


状態量とは、熱力学において、系(巨視的な物質または場)の状態だけで一意的に決まり、過去の履歴や経路には依存しない物理量のことである。
(Wikipediaより引用)


おまけ(笑)