(1)セルフプランに思う
介護サービスを使いたい時はケアマネがケアプランを作成して、というのが半ば常識だろう。しかし自分でプランを作りたいという場合はセルフプランという方法がある。
東京都北区を例に出すが、まずは参考にされたい。
要するに、普段ケアマネがやっていることを家族は行うというだけの事であるが、それを業として行う場合と家族が手続きとして行うというのはやはり手間暇を考えれば、やはりケアマネにやってもらうというのが普通だろうと思う。
そしてケアプラン作成は高齢者だけでは無く、実は障碍者の分野でも行われている。障害分野では「相談支援専門員」と言うが、その辺りの事は一般人はおろか、ケアマネでも知らない人は多いと思う。それでもケアマネによっては両方のプランを作成している人もいると思うが、実は中々浸透していないというのが実情である。
(2)障碍者のケアプランから考えるリスク
障害者においては自立支援法に基づく介護サービス(障害では居宅サービス)が行われ、相談支援専門員は同じようにケアプランを作成する。
そこで先に挙げたように、障害分野でもそういう事になっている事はあまり浸透しているわけでは無いので、専門支援相談員が見つからないという事が往々にしてあるという事だ。
そこで利用者が渋々セルフプランを作ってサービスを受ける事になる、というのが「望まないセルフプラン」という今回のテーマである。
これは高齢者分野の「ケアプラン有料化」でも懸念される事になると思っている。
私はもしケアプランが有料化されたら、利用者にセルフプランの提案をするつもりだった。
やはり今まで無料で行っていたものが有料になるというのは利用者側からすれば抵抗がある。そして何よりもケアマネ側が「これからはお金を払ってください」と言うには抵抗感を感じる所だ。
だから利用者には無料で介護サービスを継続できる方法としてセルフプランの提案を行うのは当然と思う。お金の価値観は人それぞれだからだ。
(3)セルフプランありきの制度は正しいか?
それと今後ケアマネが不足していく状況では、セルフプランで作らざるを得ない状況は出てくる可能性はある。更に言えばセルフプランを役所まで持って行けないくらい要介護度が高くならないと、ケアマネを使えないという状況になるかもしれない。
勿論、自分でプラン(計画)を作りたいという人ならそれでも良い。しかし自分で作れないからサービスを使わないという結論に達する人がいるという事は念頭に置かなければならないだろう。
いすれにしても介護サービスを受けられるハードルを上げれば介護サービスの人材不足の問題も解消される、とでも思っているのだろうか。
今回は介護保険の将来とも言える事例で、他人ごとではない。セルフプランありきの制度というのは如何なものかと思うのである。

