(1)グループワークは意味が無い
介護の研修というのは座学とグループワークの二本立てで行う場合がある。ここで取り上げられているケアマネの更新研修でも同様である。
数時間の座学があり、研修の後半はグループワークに費やす。それはテーマに即した事例を亭主して、それをみんなでいじくりあうというモノだ。
そもそもこのグループワーク、事例検討とも言うが、本当に介護の人は好きである。
「こういう事例はこうした方が良い」とか、おそらくその人の価値観に沿った発言をするのだろうが、時として説教臭くなったりもする。場合によっては言い合いになったりもして、結局は何の結論も出ないという事も多い。本当に厄介なのがグループワークというモノだ。
そもそも困難事例で悩んでいるケースは、その場で地域包括支援センターなどに相談して解決策を図っている。事例を持ってくる時にはすでに解決しているから、検討にもならないのだ。
(2)グループワークはケンカみたいなもの
私もグループワークで絡まれたことがある。
最近はグループワークをする時に「相手を非難しない事」を含め、注意がされている。それなのに「その対応は違うと思う」みたいなことを言われたのだ。
そこで「あなたはファシリテーターですか?そもそも相手を非難しないように注意がされたはずなので、そういう発言は控えていただきたい」と毅然と言って黙らせたことがある。
事例に対して「自分だったらこうする」という思いは持っていて良いが、それが違うからと言って他人を非難する事はそれこそが間違いと言わざるを得ない。
(3)研修を行えば行うほどやる気をなくす。
私は数多くのグループワークや事例検討というモノを行ってきたが、基本的に話を聞いてよかったとか、自分にここが足りなかったという事は一度も無い。聞いていないだけとも言えるが、他から意見を言わせないという事も考えている。
そういう事で済むグループワークなら可愛いもので、最悪なのが以前に受けた「高齢者虐待研修」。題材がどれも介護職が悪いと言わないといけないような内容になっており、発表で「これは介護職の身体的虐待だと思います」なんて言う意見ばかりだった。
要するに介護職が悪者になるしかない発表ばかりで、それを聞いているだけで気が滅入るというモノだ。
研修というのは、話を聞いてよかったと思うものでないと意味が無い。話を聞いて明日から頑張ろうと思うものじゃないと意味が無い。そういう事でもお説教ばかり聞いていれば、仕事に対する意欲も落ちるし、何よりもやる気が無くなる。
この時の講師もその発表に否定をせず、「こういう考え方もあるのでは」という提案も行わないから、結局のところ介護職が悪いという事で終わってしまった。
つまり研修を行えば行うほど、介護職員はやる気をなくす。それが介護職離れにつながっているし、グループワークはその最たるものだろうというのが私の意見である。
