(1)使えないシステムを開発しても
介護業界の肝いりというか、最近やけにグイグイ押しているのが「データ連携システム」使いこなせば今までFAXに頼っていた提供表の送付も出来るし、様々な機能が使いこなせるという。しかしこのシステムを導入している事業所間でしかやり取りが出来ない為、システムを使っていない事業所の処理は従来通り。つまり100%導入されて初めて便利さが分かるというものだ。
だから普及率は今でも7%にとどまっている。1年間は無料と言うが、7%じゃどうしようもないというのが本音だ。
それに本当に使いたい機能はそこじゃない。今回はそんな話をしてみようと思う。
(2)ケアマネの苦労を分かっていない
ケアマネをしていると様々な所から営業が来る。そしてその内容も殆どありきたりだし、実際にチームに入ってもらって仕事をしてくれるかは分からないのだ。
そしてよく聞くのが「お困りごとはありませんか?」というフレーズ。
ハッキリ言ってイラっと来るものだ。
困っていることなど、いきなり聞かれても分からない。利用者と対峙して初めてこれは厄介だなと思うのが殆どだ。逆に常日頃困っているというのであれば、それはそのケアマネの問題解決能力の低さか、そもそも解決できない問題かどちらかだろう。
なので、もしこういうシステムがあれば「営業機能」があると良いかもしれない。
つまり利用者の概要、訪問曜日や時間帯の希望、解決すべき課題が対応できるか、というものだ。
ケアマネで面倒だと思うのは、こういう事業所への問い合わせもある。こういう機能で手を上げてくれる事業者を募り、複数あればそのケアマネの判断で事業所を決めても良い。
そういうものであればサービス事業所も営業活動にもなるので、良いと思うのだが、そういう機能は無いだろうな。
(3)システム導入させる最善の手は
私はケアマネを始めた時、ノートパソコンとスキャナーを持ち歩いた。ちなみにFAXはPCファックスを使っているので、PC画面から送信できる。これだけでもずいぶん時間短縮になる。
だから便利なものというのはそれだけ使いこなす能力も必要で、それを使えることが介護サービス事業所として適切、位にならないといけないのだろうと思う。
これをがっちりとするものにするならば、契約書からケアプラン、全ての業務機能を一元管理できるものでないといけない。
例えば法改正で契約書を取り直すのであれば、そういうメッセージが出て漏れが無いようにするとか。
ケアプランチェックだって、そのシステムを使えば、いちいち書類を揃えなくても良いはずだ。研修にしてもそういう資料作りも結構な労力になるからだ。
まあ、そういう所まで気にはしないのだろう。行政にすれば、事業所にエラーが無いと仕事が無くなってしまうからだ。
システムを入れれば運営指導は免除される、となれば導入する事業所も増えるだろうに。
