(1)政治に興味を持つ
私が訪問介護で会社を立ち上げたのが平成16年。介護保険が始まってまだ数年しか経っていないのに、ヘルパーの人不足という問題が出て来た頃だった。
そこである日、某政党の機関紙が入っており介護の特集記事だった。書いてあることは至極全うなもので、その政党の議員に話を聞きに行ったりもした。
まあ、地方議員だから、そんな介護の事は詳しくないし、興味も無いようだったが、そこが私が政治に興味を持ち始めたきっかけであったことは間違いない。
そんなこんなで地方議員だが紹介してもらったりで付き合うようになり、今でも懇意にしてくれる議員もいることはありがたいことだなと思う。
(2)ちょっと期待した民主党だが
そんな中で平成21年の総選挙で民主党が第一党となり、自民党が下野するという事態になった。
この時はなんか、今までのヘドロのように腐った自民党政治が終わって、なんか新鮮というかすがすがしいというか、そんな空気だったと思う。
私もそれまで自民党と公明党の議員と話す機会があったが、それはひどいものだった。
まずは党利党略で、自分の得になるような話でなければ聞く耳を持ってもらえなかった。介護業界の苦しみや現状を話しても「分からない」とにべもない。公明党の議員からは「介護だけが大変じゃない。介護ばかりにかまっていられないんだ」と言われたことは今でも忘れていない。
なので、民主党に政権が移った時は、これから明るい時代が来ると思ったものだ。だから事業仕分けで議員が官僚をつるし上げていた時も「ざまあみろ」という気分だったし、この調子で世の中のいろんなことがクリーンになる期待があった。
ところがそんなにうまく行くわけがない。
外交ではアメリカの信頼を失い、中国の漁船が海上保安庁の船に突っ込むという行為。韓国大統領の竹島上陸。国内では八ッ場ダムの問題や、東日本大震災での狼狽えぶりなど、国民から三下り半を突き付けられた。
そして平成29年の総選挙で自民党が与党に返り咲き、今に至るというのが流れだ。
(3)政治における介護というのは優先順位が低い
この時に介護では、というと生活援助の時間が減らされた。例えば調理、洗濯、買い物という業務があれば、1時間は優に超える。しかし「上手にやれば時間は短縮できる」とばかりに上限が決められた。
そこでヘルパーの時間も30分区切りでは無く、20分と45分になった。これでヘルパーの時給計算もより複雑になった。更にサービス提供責任者のハードルが上がった。
我が社が訪問介護を辞めたのもこの時期だ。
ただでさえヘルパーの確保もままならない。そんな状況でサービス提供責任者のハードルを上げられても対応は出来なかった。幸いにしてケアマネの試験に合格したので、我が社は居宅介護支援事業所一つで事業を行う決意をし、今に至る。
そして自民党政権になったから、ヘルパーの時間がやりやすくなったのかといえば、そうではない。
そして更には居宅介護支援事業所の管理者要件のハードルが上がった。今はケアマネの有料化や、シャドーワークも有料化しようとする動きなど、悪い状況への検討が進められている。
だからどの政権になったから良い方向に行くわけでは無い。
そして今思うのは介護の話だけでは無く、大きな視点で政治家を選ぶべきという事だ。
耳障りの良いことは誰でも言える。先の選挙でも介護の話がちょっと出たが、そういうことを言った政党が今その選挙で行った事に対して何かアクションをしているという事は聞いたことが無い。
だから政治における介護というのは優先順位が低いんだ、という事をまず認識する必要があるのだろうと思う。
その上で自分の信念で帳票すべし、というのが私の考えだ。
