(1)報道ベースでしか知らないが
私の周りで介護離職というのはあまり聞いたことが無い。というのも仕事は介護で、プライベートは趣味の集まりが殆どで、趣味をできるという事はそれなりに余裕があるか、問題可決の方法を取る事の出来る能力があるという事だ。
記事によると介護離職者は年間10万人を超えるという。
「介護休業の発生」は大企業で13・6%、中小企業は3・6%にとどまったとあるが、まあ、そんなもんだろう。
親の介護が必要になる年代というと50代くらいからが始まりというイメージだが、その位になると会社でもある程度の位置にいる人は多い。その人が辞めても若い人がその地位につけばそれで会社は回るという考えの会社であればさっさと辞めてもらってという事もありうる。
こういう記事を見ると、社会の損失という言葉を目にすることがあるが、実際には休まれる方が会社にとっては迷惑だと思っている会社も少なくないだろうと思う。まあ、そういう会社はもともと冷たい雰囲気の会社だろうから、そのうちに誰も寄り付かなくなるかもしれないが。
(2)代わりがきかない会社員
都市化や核家族化が進んで介護というものを社会で面倒を見ようとして始まった制度であるから、たとえ近くにいなくても何とか任せられるという状況であるというのは現実的にあるはずだ。
子供としては親が心配で、出来れば信頼できる人に24時間お任せしたいという所だろうけど、そういうことは現実的に施設しかない。しかし施設は入所要件があるし、その地域で入れる施設のキャパには限界がある。
更にお金が無い、家で過ごしたい、施設に入りたくない、入れる施設が無いなど、様々な理由で見守りから実際の介護まで、極端に言えば在宅で24時間、安い料金でと希望は様々あるだろう。
施設に入るにもお金が無い。では家を売り、不足は子供が補ってということが出来ればそれもありだが、そんなに簡単に事は進まない。結果、現状維持のまま何とかするしかない。
そうすると介護をする人は会社を休んで親元に行くことになる。単純にそれを良しとしない社会が存在するのだろう。
だからと言って代替職員の確保といっても、その人が会社で担ってきた役割があるし、会社としてもその仕事は代わりが出来るものでは無い。まして相手がいれば休みが云々いっていられない。会社での責任というのであれば、やめてもらって後任をつける方が会社にとって良いのだ。
(3)介護が終わった後に
だから定年退職後に親が介護状態になれば会社に影響がない状態になるが、晩婚化や高齢出産の影響を考えれば、50歳代で親が介護状態になる可能性は高い。私の場合は40歳代前半だった。
その年齢で会社を辞め、介護が終わった後に職探しというのは出来なくもないだろうが、やはり難しいんだろうと思う。
考え方はリストラと同じで、ある程度の年になっても仕事はあるという状況であるなら安心して退職して、介護が終わったら再就職という事もあるだろう。
また介護休業という形で仕事を休むという事だが、仕事に穴をあけるという点では会社の方としても使いにくい。それだったら休職扱いにした方がよい。
いずれにしても介護という問題が会社には浸透しておらず、まだ混乱する状態であるという事だ。
まあ、これは価値観の問題でもあるから、その状況に合わせて対応していくしかないのだろう。