(1)人に不毛なことをやらせるのは大好き
どうも自治体は「ケアプラン点検」とか「地域ケア会議」みたいな不毛なやつが大好きらしい。
はっきり言うが、ケアプラン点検なんて百害あって一利なしだ。
我が自治体ではケアマネ連絡会のお偉いさんがファシリテーターになって、ああでもないこうでもない、もっとこうすればできるはずだ、などと人のプランをいじくりまわす。
やられた方も最後の感想で「気付きがありました」位なことを言わないと雰囲気が悪くなる。ファシリテーターの方も「仕事をしました」みたいな満足げな顔をする、というのがケアプラン点検の実態だ。
(2)ファシリテーターの〝自己満足”なケアプラン点検
去年だったか、我が事業所にもケアプラン点検のお誘い(?)があった。自治体によると一人ケアマネのところを集中的に行うとのことで我が社が候補に挙がったようだが、即答で断った。
理由は上記の通りで、ファシリテーターは最初は物分かりの良い「ケアマネの味方です」みたいな顔をして始まる。所が3分もすれば重箱の隅をつついたり、利用者の触れてほしくない部分まで「聞けるはずだ」と言う。
人によっては年金額だって言いたくない人もいるし、生活歴だって言いたくない人もいるだろう。そういう人は時間をかけてゆっくりと情報を引き出していくものだろうが、その人となりも知らないままに好き勝手なことを言うのがファシリテーターである。
ケアプラン点検を受けてよかったと思う事業所はないだろう。
とにかく点検を受けた側がどんな顔をして帰っていくのか自治体は知らないし、それでケアプランの質とやらがよくなったという話を聞いたことがない。
ケアプランを作るというのはケアマネにとって相当に労力を使うものである。それをああでもないこうでもない、もっとこれを聞け、もっとできるはずだとやいのやいの言われて、「ありがとうございました」なんて言わなければならないケアマネの気持ちを考えたことがあるだろうか。
ケアプラン点検でそんなことを言われれば、やめたくなる要因にもつながることはよいに予想できるだろうに。
そもそもこれは実地指導とは関係のないものである。
確かに他人の目から見て「こういう見方もあるんじゃない?」というのはあるだろう。それならよいが、我が自治体のケアプラン点検はもっと利用者の情報を聞けるはずだとか、意味のないマウントを取ってくる。
とにかく利用者の頭の先からつま先まで知ることは不可能だ。しかしケアプラン点検の場にいたことがあるが、そういう印象を持った。
とにかくケアプラン点検を終えた人たちが疲れ果て、やれやれといった顔で帰っていく様を見れば、百害あって一利なしという結論に至るのだ。
(3)苛立たないようにするには
役所にそのことを言うと「そういう率直な意見は貴重だ」位な返事はしたが、どうせ改善することはないだろうと思う。
でもそれはどうでも良い。私がこんなことで嫌な思いをしなければよいからだ。
ついでに言うと、実地指導でケアプランの中身までは見られない。
つまりケアのあり方は様々な考えがあるし、ファシリテーターの意見も所詮、一つの意見に過ぎないのだ。
あと、困難ケースの場合、よく「地域ケア会議」に出せというのもよくある話だ。
これだって、どうしようもない奴は地域で誰が面倒を見るか、なんて厄介者を押し付けあうだけの話にしかならない場面も見てきた。
所詮、ダメな奴はダメなんだという本質を言うと「お前は心がない!」とか言われちゃうんだよな。
なので最近は黙っているようにしている。
何も聞かない、言わないというのはそれなりに心地よいと思う。
