(1)結果責任を取らないだろう
訪問介護事業者のみならず、居宅介護支援事業者も減っている。他の事業廃止・倒産の記事を見ても、ほぼすべての業種で撤退が進んでいる。要介護度のハードルを上げて、介護を受けられる条件を厳しくし続けたにもかかわらず、要支援の利用者の受け入れは厳しく、要介護認定を受けたのに介護サービスを受けられない介護難民の出現。
そもそも制度設計の段階で、外資や銀行、商社などの大手企業は参入しなかった介護保険事業だ。そしてその中でも大手と言われた所も保険会社に売却してしまった。
もう介護事業所というのは、そんな程度の価値しかないのだ。
その他の小規模、零細企業は売り抜けることなく、後継ぎもおらずに衰退していくだけ。
これからの超高齢社会を迎えるにあたり、目指してきた政策の結果がこうであったという事について、しかるべき人はどう責任を取るのだろうか。
(2)「微増」という気休め的な発表
ケアマネの事業所の休止・廃止事業者数は「微増」と、何だかまだ心配いりませんよみたいな、無責任な発表になっているが、ここ数年で300弱の居宅介護支援事業所が無くなっているという事は、毎年500人くらいのケアマネが辞めていくという事だ。介護事業所の大規模化が云々という事で賄いきれる事では無い。
あまり例として出したくは無いが、戦中の大本営の発表のようだ。
厚労省の側にすればそういう事なんだろう。
まだ大丈夫と。
しかしそうした事を続けていくうちにどうしようもない所まで来てしまう。
さらに言えば決して間違いは認めない。
戦争の時は、敗戦国になったから後になって戦闘状態の事実を知ることが出来た。敗戦、占領統治という外圧があったからこそ事実を知る事が出来たのだ。
介護の例で言えば、おそらくそんな外圧を含めた圧力はない。つまり結果として介護難民が溢れ、どうにもならなくても責任を取ることなく切り抜けられる構造になっているのだ。
(3)「微増」から「大幅増」そして崩壊へ
今、日本は移民の問題も抱えている。日本は島国だから、私が思う移民とはボートで乗り付けて助けを乞うというものだが、そうではなく飛行機乗ってきて難民申請する。
また、大金持ちは日本での拠点を作り、家族を呼び寄せて日本の医療保険サービスを受けようとする。
今後はこうした介護が必要な外国人も増えてくることが容易に予想される。
移民してきた人が介護の仕事をするというのであれば、あったとしても人不足は変わらないだろうが、こうした人も介護が必要とするならば、日本だけでも超高齢社会なのに、外国人を含めると、若い人は何人の高齢者を支えなければならないのかということになる。
立憲民主党の議員が、「消費税は最低でも25%、所得税も70~80%の時代もあった。相続税も強化する」と、今でさえ税金・社会保険料の負担率が50%を越えようとして、手取りが少なくなって国民生活が危険水域に迫ろうとしているのに、更に増税するという、普通に考えればイカれているとしか思えない話が現実味を帯びて来る。
もしそういう時代になっても、介護職員は増えないだろう。
つまり今は廃止休止の事業者数が「微増」だったのが、そのうち「大幅増」になり、介護は崩壊していく未来になる。
こうれは単純に事業者数の問題ではなく、介護職員の大幅減の話なのだ。
そういう未来予想図をどう覆してくれるのか、生暖かい目で見ようと思う。