(1)魅力のない介護業界
ここ数年、というより随分前から思っていたが、介護の仕事って良いよねという意見を聞いたことが無い。いつの頃だったか11月11日を「介護の日」にして役所でもイベントを行っているようだが、事業所の数の減少に歯止めがかからない。
その中でも気を吐いているというか、これからの高齢者支援を考えた時に効率よく稼げるというものがサービス付き高齢者住宅であったり、高齢者マンションなのだろうと思う。
こういう所であれば移動も施設内で完結し、効率よく仕事が出来る。職員を募集するにあたっても、「区内を自転車で移動、交通費支給」なんてよりは、施設内で完結する方がよほど良い。
だからそういうビジネススタイルに寄って行くし、中には不正受給というのも起こり得るという事である。
(2)行政の都合による運営指導
つまりは仕事として全く魅力を感じない介護業界ではあるが、その中でも何とか効率よく稼げ、職員採用にもメリットをアピールできる形、というのがそのスタイルである。行政としては当然、目をつけるところではある。そしてそこに引っかかる奴が実際にいるという事だ。
しかし、この記事のコメントにもあるように、行政というのは不正があるという事が分かっていたとしても、数年間は泳がせておく。
ただ、悪気が無いという事もあると考える。うっかりという事もあるが、そういう場合でも運営指導では数年に渡り、返戻することになる。
こちらとすると、そんな事をするくらいなら毎年来いよ、という事を言いたいところである。でも行政は人不足を理由にそういう事はしない。それが許されるというものである。
要するに、事業所を改善しようという気は無い。
結果的にそうなのかもしれないが、少なくとも高齢者問題を共に戦う同志の姿勢ではない。
(3)どんどん離れてゆく
記事にもあるように訪問介護、居宅介護支援、ともにどんどん廃業していく。早い話が見切りをつけたのだ。儲かっている会社なら自分の子供に後を継がせるという事もあろうが、そういう話ももはや聞かない。
ケアマネがいなくても介護を受けることは可能だが、やはり煩雑な手続きをクリアするには必要な職種だと思う。それを担う人がいないという事は、介護を受けることが出来ない介護難民が現われるという事だ。
その内に介護を受けることができる人の方が、運が良いと言われる時代になるのかもしれない。
