(1)研修をやめろと言っているわけではない
昨今、話題になっているケアマネ資格の更新制度。ケアマネ資格は5年間の有効期間があり、その間にいくつかの研修を受ける。
私はもう10年ケアマネをしているので、受講するのは「専門研修Ⅱ」というやつだ。時間数にすると32時間だが、課題を作っていたりすると倍の時間はかかるだろう。
研修は通年で行われるので自分の好きな時に受講できるが、日常業務が忙しく、期限ぎりぎりで受講する人も多いだろうと思う。振替できるコースがあれば相談に乗ってくれると思うが、ギリギリだと受講そのものがパーになる。
とあるケアマネが親が重篤な時にも研修で、医師に「親の命よりも大事な研修って何だ?」と言われたという話も聞く。
(2)内容はくだらないと言わざるを得ない。
それで研修内容は制度の話と事例検討。
制度の話は良いとしても、事例検討というのはこの研修に限らず聞くに堪えないほど下らない。人それぞれいろんな考えがあっても良いが、どうも上から物を言わない時が済まない人というのは一定数いる。
要するに事例に正解は無い。ベターはあってもベストは無いのだ。
だから事例検討というのは本当に馬鹿馬鹿しいと思う。
ちなみにいろいろな事例検討会に出たが、タメになったことは一つもない。ケアプラン検討会みたいなもので事例を出すと、ファシリテーターからあれやこれやと言われる。ハッキリ言えば人の事なら何でも言える。だから本当に頭に来るし、意味のないものだと思うが、感想を発表する時には「気付きがありました。」くらいな事を言わないとおさまりがつかない。
研修が終わった後の受講生の姿を見たことがあるだろうか。皆ぐったりして、一刻も早く研修の事を忘れたいというような顔をしている。
ケアマネにとって研修はこんなものでしかないのだ。
ケアマネは勉強熱心な人が多く、人の役に立ちたいと思っている。だから研修も意味のあるものなら受けたいが、今行われている研修がバカバカしくてしょうがないのだ。これだけ時間と費用をかけて、こんな研修を受けさせられている自分が情けなくなるのだ。
(3)更新研修は無くならない
それでいて費用は数万円もかかり、自己負担である。しかもこれを受けないとケアマネの資格を更新できず職を失う事になる。私のような経営者活管理者だったら即廃業だ。
そこまで厳しくしてまでやりたい仕事なのか?と言えば別の条件の良い仕事があれば写っても良いと思うだろうと思う。
そりゃ、ケアマネは辞めたがるしケアマネをやりたいという人もいなくなるだろう。今話題になっているケアマネ不足はなるべくしてなった当然の結果なのだ。
更新研修は無くならない。
理由としては最近、自治体で研修費用の負担をするようになった事。ZOOMなどで負担が減った事でケアマネの文句は少し緩和されたからだ。
おそらく天下り団体の行う研修は無くすことは無い。講習時間を軽減するという事はあっても研修自体は無くならないだろう。
よく「ケアマネの質」という事が研修を行う大義名分となっている。では「質」とは何か?明確な答えが無いままに介護保険は25年たった。おそらくこれからも「質」とは何か答えることは無いだろう。
この写真を見て、こんな風に我々の運命が決めらるんだと思うとガッカリ来る人も多いと思う。しかしこれが現実だ。これを我々は受け止めなくてはならない。