(1)人が余っていれば
この記事の前半部分、老舗レストランが潰れていくという話は置いておいて、メインは訪問介護の倒産が増え、事業所も7割方仕事を断るという話。
このブログでも何度も取り上げたが、ただでさえ人不足で立ち行かなくなっていた訪問介護の報酬が減らされるという、訪問介護の側からすれば踏んだり蹴ったりという状況であるし、介護保険開始時から人にすれば辞め時かなと考える人もいただろうと思う。更に自分の子供に会社を継がせた人がどのくらいいただろうという事。自分一代で終わらせる洗濯をした人は、自分の子供にはこんな苦労はさせたくない、ましてやそれが福祉の分野の仕事というのは、本当に寂しい話だと思う。
さて、この訪問介護の7割方仕事を断るという話。肌感覚的には何とも分からないが、私が起業した20年前とは明らかに違う。当時はどんな仕事でも受ける覚悟があったし、一度断ると二度と仕事をくれないという恐怖もあったから、どんな仕事でも受けた。ちなみに私の土曜日は、朝6時に透析患者の送り、移動して午前中は生活援助2件、午後は空いて、夜9時に就寝介助に行くというスケジュールだった。
(2)なり手がいなくなった訪問介護
それが最近では仕事を断られるケースがある。
私の経験では、急な通院介助を断られたという事があった。でもしれはしょうがない。時間が読めないし、どんな利用者かも分からない人の仕事を受けるというのはリスクもある。
おそらく出来立てで仕事が無い事業所だったら受けてくれたかもしれないが、そういう事業所は無かった。
ただ、人手がいない、事業所を選べないというのは悪い事ばかりではない。
私の担当している人で相当わがままな人がいた。
議員の紹介でAという事業所に依頼したが、ヘルパーが気に入らないとすぐに替えるよう強要し続けたため対応できるヘルパーがいなくなって、ケアマネと共にB事業所に変更。そこでも同様で、私に担当変更した利用者だった。
私の時、ヘルパー事業所をCに変えたが、やはりダメで結局D事業所に変更。この人にはもうヘルパー事業所は選べないという事を粘り強く話し、この方もヘルパーとの関係を良いものにしようと努力し始めた。結局施設に入ったが、気に入らないという理由でヘルパー変更していたのが、何とか数年持ち、話し合うきっかけにもなったようだ。
(3)訪問介護倒産は加速していく
今、ケアマネとしていて訪問介護をお願いするケースはさほど多くはない。しかし依頼するケースはヘルパーの資質が問われるレベルの高い仕事を求められる。
更には生活援助というもの。
自宅にいるという事は生活を援助してもらえれば何とか生活は出来る。その為に生活援助を充実させることがADLの維持にもつながるし、リハビリのきっかけにもなる。それをどんどん切り詰めるという方向は逆行していると言わざるをえない。
結局、国はヘルパーに何を望むのかという事がぶれまくっている。これは何処が政権政党になっても変わらないだろう。
訪問介護の倒産はこれからも加速していく。ケアマネとしては訪問介護が無いという事を前提としたプラン作りを勉強しないといけないかもしれない。