(1)「人生100年」時代を考える
私もケアマネをやって、数人100歳以上の方を担当した。コミュニケーションが取れる方もそうでない方もいらっしゃったが、若年の私から見れば100歳というのはすごい事だ。
「人生50年」という時代から「人生100年」時代へ。
医療の発展により寿命による死が遠くなるという事は良い事ではあると思うが、その為に介護という課題がでて、一つの仕事になったことは良いのか悪いのか。
(2)今年100歳になる人が生きてきた時代は
さて、今年が2024年なので、今年100歳を迎える方は1924年生まれ。大正13年である。
前年に関東大震災があり、その復興の年。パリオリンピックが開催され、日本では初めてセンバツ高校野球が開催。同年に阪神甲子園球場は竣工、などなど。
海外、特にアメリカでは排日を含む移民法が制定。
このあたりから雲行きが怪しくなる。
戦争が始まった昭和16年は18歳。
終戦の昭和20年に22歳。
まさに青春を戦争中に過ごした世代である。
そして高度経済成長期を経て、還暦を迎えたのが1984年。
それで今を迎えるという世代である。
(3)人の本質は変わらない
この方たちは100年という歳月を歩んできたわけだが、例えば18歳の時は我々が18歳の時と同じような感じ方をしていたのだろうと思う。時代によって、教育によってその捉え方は違うだろうが、その成長過程における感じ方は我々と大差ないはずだ。
学びの意欲や恋、これから社会に出る覚悟や、時代によっては戦争に行く決意だったり。
やはり生き方というのは時代によって変わらざるを得ない。
そう思うと、我々の世代は戦争が無いだけ恵まれていると思われているのだろう。
実際に100歳を迎えた人に感想などを聞いても「特にない」と答えた人が多かった。おそらく自分でもそんなに長生きすると思っていなかっただろうし、100歳になっても自分という人間は変わらないという事だろう。
確かに、我々も学校に上がるとか社会に出る年になったからといって、自分という人間の本質は変わらない。
もし変わったとするならば、その環境になれ、世間というものに順応し、角が取れて丸くなった時という事なのだろう。
人が生きていくという事はそんなものだ。