(1)悪ふざけにしか思えない
もともとヘルパー不足で経営も綱渡りの業界であったのに、今年度の改定で報酬削減の激震が襲い、倒産件数も過去最多と言われている訪問介護。ケアマネの立場で見ても、訪問介護の方から「仕事を選ぶ」時代になってきていると感じる。地域によっては、事業所の不足から立ち行かなくなってきているところもあると聞く。そんな状況での打開策がこれ。何かの冗談としか思えない。
(2)内容は
「概算要求に盛り込んだ新たな広報事業では、YouTube動画や漫画、パンフレット、リーフレット、ポスターなどを作成する。ヘルパーの業務内容やキャリア、現場の前向きな声などを発信し、訪問介護の魅力を広くアピールしていく。
「ヘルパーの価値ややりがい、面白さなどを周知する機会が少ない」。そんな関係者の意見を踏まえたもので、1人で利用者宅を訪問する労働環境への不安の払拭も図る。
厚労省はあわせて、都道府県ごとの地域医療介護総合確保基金の活用メニューも拡大する。
経験が十分でないヘルパーの研修の受講、利用者宅への先輩の同行などにかかる経費への補助を可能とする。地域のサービス提供体制の維持に向けて、小規模な事業所どうしの連携による人材の確保・育成、経営の協働化・大規模化の実現を目指す取り組みについても、新たに補助を出せるようにする考えだ。」(文中より)
(3)だからどうしたというレベル
そもそも訪問介護というのは移動がある関係で効率的に稼ぐことが難しい部門である。また、1対1になるのでそのリスクも無視できないし、利用者からのカスハラは第三者の目が入らない、聞いた話でしか判断できないため、傷つけられたヘルパーは相当数に上ると思われる。
「職員ファースト」というならば、基本的に一人での訪問はやめるべきだ。
それとハラスメントをした利用者や家族をどのように罰するかという事も必要。
そういう事に目を向けないで、ヘルパーのやり方云々していても、悪意を向けてくる人間には対応できない。
そもそも介護報酬を減らしておいて「支援が必要」とは、相手を切りつけておいて絆創膏をくれてやるから感謝しろというようなレベルのもの。
訪問介護の側からしたら頭に来るだろう。
また、崩壊への道を一歩進めている。