(1)このようになる事が想定できないわけがない
介護事業所の経営が苦しいのは誰もが分かっていた事だと思う。そしてヘルパーのなり手がいない事も。業界が危機であるという事は何十年も前から訴えてきた。
それなのに訪問介護の報酬を下げる。
それは狂気の沙汰とも思えないとか、業界に激震が走ったとか言われたが、そんな事はどこ吹く風である。
(2)国の政策ミスでないとすると
公務員は無謬性といい、決して間違わないとされている。
要は今までの訪問介護のやり方が悪かっただけで、やり方をうまくやればこの報酬でもできるはずだという事。もし人件費の事を言うなら処遇改善加算を手厚くしたのでそれで良い。あとは事業所の手腕の問題だとしたという事になる。
(3)最近の研修の傾向
最近、我が社に来る研修の案内は経営についてが多い。特にDXについて。DXとはデジタルトランスフォーメーションの事で、デジタル技術によってビジネスや社会の形を変えるという事である。
確かに事務作業は効率化できるだろう。
だからと言って訪問介護の移動が楽になるわけでも、仕事が効率化できるわけでもない。
つまり現場で実害が出ないとおそらく分からないだろうと思う。
それは訪問介護が入れなかったことにより高齢者に被害が出るとかだが、おそらくそれはさほど出ないように思う。
(4)ヘルパーの都合が優先されても良い
例えば要介護度が重い人に入るのに、昔は時間を指定できたが、今は入れれば何時でも良いというように変わってきている。利用者のタイムスケジュールより、ヘルパーのスケジュールの方が優先されてきている傾向にある。
これは制度を作る方としてどう思うだろうか。
入れればいいじゃない?という事にならないだろうか。
今回の報酬減は、このような今までの訪問介護のやり方を変える事になる。確かにヘルパーの空き時間というのは無駄な時間であったかもしれない。仕事をぎゅうぎゅうに詰め込み、しかも毎回のように違う人が来るというやり方で、一日の仕事を何とかこなすというやり方に変えるきっかけのように思えるのだ。
これも業務の効率化なのだろうか。
