(1)起業はいばらの道
私が起業したのが平成16年なので丸20年という事になる。
記事によれば10年続けられる企業は6%というから、まあ頑張っている方なのだと思う。
やはり起業する時は成功したいと思う。
それが年商いくらとか、支店をいくつ出して全国展開するとか、今風で言えばインフルエンサーになりたいとか、色々な野望は持つが、私の場合はそこまで考えてもいなかった。起業する時に銀行から借り入れを起こしたが、それを返す事で頭がいっぱいだった。やはり借金をするというのは気持ちが重い。
(2)勤め人の煩わしさを良しと出来なかった
それで20年経って振り返って起業してよかったかと問われればどうだろうか。おそらくその人の性格にもよるのだろう。
私の場合大学を卒業して10年ほど会社や施設で働いたが、なんだろう、本気になれないというか真面目になれないというか。評価もしてくれない人のために頑張らなくてはいけないのかとか、頑張ったところで下げる評価しかしないとか。要は会社勤めで「こうすればいいんだ」というものが見つけられなかったという所と思っている。
本来であれば与えられた仕事を淡々とこなしていけばよいはず。しかしそれ以外にも「仕事を円滑に行うために」必要なものがある。例えば上司に気に入られるように飲みに行くとか、積極的に残業するとか、そういう自己犠牲的な頑張りで会社で存在感を示していく事である。
これには異論もあるだろう。しかし再反論させてもらえば、起業した今、そういう煩わしさは一切ないという現実が私にある。
(3)結局は結果論
現在は人の仕事を手伝わず定時で帰る若者を「何だコイツは?」という論調で書かれている記事もよく見るが、私は30年前からそうだった。そしてそういう人は息苦しさを覚えた人もいれば、堂々としていた人もいた。
それでもし、今の会社が倒産になって働きに出なくてはならない状況になったら、おそらく昔よりは上手くできるような気はする。それは時代も相まって今の私でも受け入れてもらえるんじゃないかという期待はある。
私の場合は勤めで上手くいかなかったから起業した。それで運よく今まで来れただけという、あくまで結果だ。
これをもって成功したかと言えばそうだとも言えるしそうでないとも言える。
「隣の芝は青い」が、自分の芝生も嫌いではない。
起業するかしないかは大変かそうでないかで計れるものではない。
大変な思いは乗り越えるしかない。
それは事業主でも勤め人でも同じである。