(1)介護は生産性が悪く、給与水準も低い
「高齢者が増えることで介護・医療のサービスの需要が増大することです。こうした仕事の特徴は、いずれも「生産性が低い」ということです。
生産性が低いので採算性が悪くなり、賃金水準も低いのです。増えれば増えるほどGDPを押し下げていきます。供給側の雇用が減っている状態なのに、生産性の低い分野に人が集まってくるという問題がある。」
元ゴールドマン・サックスの「伝説のアナリスト」デービッド・アトキンソン氏によれば、ただでさえ生産年齢人口が減ってくるのに、生産性の低い介護サービスの需要はますます増大するといった将来への危惧がなされている。
これを読んで介護側の人はどう思うだろうか。
(2)生産性の高い業種にするために
氏は医療や介護の仕事というものを否定はしていないが、「生産性が低いので採算性が悪くなり、賃金水準も低いのです。増えれば増えるほどGDPを押し下げていきます。」と言い切っている。つまり介護の仕事は稼げないよ、という事である。
よく福祉と軍事はキリが無いといわれる。
何処までお金をかけても、何処まで環境整備をしてもキリがない。
最近では自衛隊の待遇の悪さが指摘されている。
お金をかけないで最大の効果を産もうという議論は共通しているように思う。
自衛隊への入隊希望はここ10年間で26%も減少しているという。それは少子化という面が多いだろうが、不人気職種という面が大きいという。
その不人気の理由は下記のサイトを参考にして欲しい。
自衛隊の事について知らない事も多いと思う。
(3)ボロを着てても心は錦
このように自衛隊も介護も、悪い条件の中で個人のやりがいや使命感と言った精神的な拠り所に頼っている。
勿論、そうした清い心で仕事をすることは大切だ。しかし今の人は「ボロを着てても心は錦」となるだろうか?という事だ。
では、介護で高給取りになるのはどうするのか。
①保険料を高く徴収する。
②自費サービスを拡張する。
③他の事業と合わせたサービスにする。
現実的に難しい事ばかりだと思う。
介護や福祉という仕事は人の役に立つ仕事であり、絶対必要な仕事、コロナ禍の言葉で言えば「エッセンシャルワーカー」である。
とはいえ、一般では儲からない仕事としての認知である。
それをどう打破するのか。それが課題。