そもそも結婚っていうもの、同性婚は別として、男女が一緒になって家族となる。そこで子供が生まれて家系は繋がっていく。我が国の歴史はそうして作られてきた。そして個人と個人の同意はそうだろうが、家と家とのつながりを大事にすると言った信頼関係で行ってきた。勿論、それは悪い事をすると迷惑がかかると言った「ムラ社会」の論理みたいなものはあったであろうが、人と人のつながりを家と家とのつながりで、関係を強固にしてきた歴史がある。
介護の仕事をしていると高齢者夫婦と関わる事も多い。どの夫婦に聞いても100%全てが良かったわけではなさそうだ。稼いでくる方にすれば飲み遊びたいのを我慢するという事もある。逆に遊びまくって家に金を入れないという人もいる。妻の方は姑の嫁いびりにあうとか、子育てが大変だったという人もいる。
そういうことを乗り越えて今があるわけで、最初から約束されたものではなかった。いやな事も一つ一つ乗り越えてここまで来たという、家族の歴史なのだ。
今の時代は個の尊重という名目で、嫌な事はしなくても良いという風潮があるように思う。
そうしてみると、今の人にとっては結婚とは重荷にしかなっていないように見えるのだろう。
だから本来は押し付けと言われようが、こうあるべきというものを示す必要があった。
生涯未婚率が高くなっているのは親のエゴだけではない。結婚や家計をつなぐという意義が見えなくなっているのだ。
結婚は良いものとか悪いものとかいう次元で論ずるものではない。しかしその意義を示す事を忘れた付けが今に来ているのだと思う。