(1)ケアマネの仕事が意義のある仕事
ケアマネは高齢者が抱えている様々な問題に解決策を提案していく。介護保険サービスが中心となるが、様々な制度や人脈を駆使して対応する。結果として「良かった」となるよう支援していくのが仕事である。
私自身がケアマネージャーという仕事をしていて、仕事として満足しているか否かといえば満足である。仕事として誇り持てるし、何よりも人の役に立てている事は単純に嬉しい。
ケアマネは介護保険サービスの一つであるが、高齢者の課題は介護保険制度ですべて解決できるわけではない。
私自身が経験した両親の看取りから相続手続き、不動産や会社経営、法律関係など、介護保険外でも話を聞くことは出来るし、必要であれば関係機関を紹介してきた。大袈裟に言えば「人生のコンサルタント」である。
(2)何でも出来てしまうからこそ
ケアマネの問題点は、むしろこの「何でも出来てしまう」利便性と福祉従事者への偏見である。
殆どのケアマネはマンパワーとして優れている。
少なくとも5年以上の福祉業界での実務経験があり、試験もそれなりに難しい。知識もそれなりに豊富。上手く関われば介護が必要な人にとって心強い存在である。
また福祉従事者への誤解がいまだに大きい。
まず「良い人」というイメージがある。ここで言う「良い人」とは「タダで何でもやってくれる人」という意味だ。
どうも人は自分がお金を出すというかサービスを受ける側になった時はお客様は神様ですではないけれど、過剰な要求をしてくる場合がある。
それを福祉の仕事をする人は「人の世話をするのが好き」とか「人に尽くすのが好き」というように自分に都合の良いように解釈してしまう。それで自分の意にそぐわないと裏切られたというように感じてしまうようだ。
(3)何を評価するかという問題
ケアマネに限らず、評価というのは多面的である。利用者からの評価、会社での評価、行政からの評価はすべて異なる。この評価の順番をどう考えるかは難しい。
例えば運営基準にも利用者に特に不利益にならない事は沢山ある。それを杓子定規に違反だからといって返戻させるという事は本当にあり得ない。
そうした本質を議論できればいいが、厚労省が行うのであれば多分それは無理だろう。私には単なるガス抜きにしか見えなのである。