2000年に始まった介護保険。今まで家族で行っていた介護を社会化するという事で、在宅サービスを中心とした取り組みがなされてきた。同時に我々介護職員には様々なスキルが求められるようになった。それだけ問題が多く、隠れていたものがあからさまになってきたとも言える。
得に虐待というものは、家族介護のみで行われた場合、表に出ること無く行われる事だってある。また、虐待という定義も浸透していない一般の人は、「これが虐待!?」と驚かれる事だってある。
中には本当に手を焼いて手を出してしまった家族もいる。
見る角度によっては「しょうがない」という事もあるが、虐待された本人からすれば「しょうがない」で片付けて欲しくないだろうと思う。とはいえ「こうして欲しい」というのもなかなか見当たらないだろうが。
いつだったか「殴られても家族といたい」と言っていた人がいた。やはり家族の存在というのは大きいものだ。体が動かなくなり、子供の厄介者になっている自覚はありつつも、やはり家にいたい、家族といたいというのは不思議でもあり現実でもある。
だから虐待ケースだからと言ってむやみに介入して、家族自体が壊れてしまう事だってある。高齢者にとっては身を守る最善策だとしても、ベストな答えではないことだってある。
自分のケースでいつも思うが、虐待ケースや施設入所に関わることなどはベターな答えなんだと思う。
この「ベター」から「ベスト」になる日は来るのだろうか。