ゴミ屋敷に立ち向かう | ケアマネ時々卓球、時々その他

ケアマネ時々卓球、時々その他

仕事は介護、プライベートでは卓球を中心に、その他もろもろ思いつくままに書いてみます。テキトーな独り言です。

 

 

1年以上精神病院に入院している、私が在宅で担当していた利用者がいる。在宅生活中に癌を発症し、それが原因で精神不安定になり一昨年の12月に入院したのだが、癌の治療が終了し、いよいよ在宅復帰の準備に取り掛かる段階に来た。

しかしびょうんの相談が訪問したところ、ネズミの糞がものすごく、ちょっと生活できる状態ではない、どうしようかという相談が来た。

そこで知り合いの業者を連れていく事にし、実際に訪問した。

家に入ると、やはり1年以上家を空けていたせいか完全にネズミの住処になっている。また部屋によっては完全なゴミ屋敷になっており、漏電の心配もある危険な状態と判断。

今後は家族を含めて話し合いをする予定、というケースがあった。

 

そもそも私は在宅のケアマネなので、利用者が家にいる時しか本来は出番が無いのだが、こうした業者の手配なんかも行った。

 

利用者に家族がいないもしくは遠方、あるいは疎遠などの場合、自己決定もままならない時には様々な業種が関わることになる。今回も成年後見として社会福祉協議会、病院の相談員、ケアマネである私が集まって、という事になったが、みんながみんな一歩ずつ後ずさりして、誰かが貧乏くじを引くことを待っている。面倒なことを引き受けてくれる人を様子を見ているという感じだった。

 

このケースの場合、本人の貯金若しくは家族が費用を支払う事が原則で、それが出来ない場合は家を売却するしかない。リバースモーゲージというのもあるが現実的ではない。

 

でもその判断をだれがするのか、といえば関係者では誰も出来ないのである。

 

記事のようにゴミ屋敷も方法は同じだが、結果金もない、やる人もいないとなると介護職が貧乏くじを引くことになる。研修などでたまに話を聞くし、面白がる人もいるようだが、明らかに本来の業務とは違う。

 

おそらくこの利用者は家に帰ることは出来ないだろう。

家族との縁もダメになるだろう。

 

それをどう受け入れるかはこれからの話。