今年、プロ野球で優勝した阪神タイガース。
戦前からある名門球団。しかし1985年の優勝以来、優勝から遠ざかっていた。
勿論、勝って欲しいとファンは願っていたに違いない。
それでも期待を裏切るというか、勝てなくても「ダメ虎」とバカにされても、強者ではなくても人気があるがゆえに、い続けられる心地よさに甘んじていたように思う。
時は1998年。
私が応援しているヤクルトスワローズを退団した後に阪神の監督になった。あの弱いヤクルトを9年で4度も優勝に導いた名将である。しかし阪神の成績は最下位だらけ。
その後に就任した故星野仙一氏によって久しぶりの優勝に輝いた。
この記事で注目すべきは怒り方だったり、情のかけ方だったり。
どちらが優れているものというものではない。
野村監督の3年間があったからこそ星野監督の手腕が光ったこともあると思う。野村監督の3年間で人気球団に胡坐をかいていた選手たちに渇を入れ、3分の1の選手を入れ替えたのは星野監督だ。
「はっきり言うて、阪神はぬるま湯だったんよ。星野は馴れ合いの空気をなくすため、支配下登録の3分の1も動かした」(文中より)
この「ぬるま湯」という言葉。非常に響く。
優勝を目指す。
勝つことを目指す。
競技者では当たり前の「勝ちたい」という純粋な気持ちも、勝てない日々が続くと忘れてしまい、下手をしたら足をの引っ張り合いになってしまう。
弱い集団というのは得てしてそういうものだと思う。
誰もが勝ちたいし負けたくない。でも勝てない。となるともう勝負なんて言い、楽しめればいいじゃんに変わってしまう。
それで良いならそれで良い。
しかし目標をもってそこを目指しているという事は、少しのミスも許せなくなる。それだけ厳しい姿勢が求められるのだ。
それは「真剣に、真面目に取り組む」という事と同義語である。
そういう記事と捉えている。