介護の仕事は待遇が悪い、それは当たり前。
では待遇さえ良くしたら人は集まるのか。
そうとも言い切れないんじゃないかと思う。
ついでに言うと、そんなに待遇が改善されるとは思わない。
このブログでも良く書くことだが、介護報酬が上がればそれだけ質の向上やらなんやら言われて研修を受けなくてはならないとか、資格を取らなければならないとか。その資格も数年ごとに更新料としてお金を取られるし。
介護報酬が上がるから、単純に給料に反映されると思ったら大間違いだ。
つまり、待遇改善というのは目くらましであり、ごまかしであり。結局そんなことをしても、騙されて仕事に就く人はいるかもしれないが、長続きはしないだろうと思う。
介護という仕事はそんなに甘くない。
その理由は、人の一番醜い部分に触れるからだ。
単純に身体介護を、生活援助を、リハビリをという事ではない。
衰えていく家族の終焉をどのように迎えさせてあげるのが良いか、思い通りに動かなくなる体と、ぶつけようのない怒りをどのように受け止めるかが介護の本質でもあると思う。
介護の仕事というのはそこまで求めらるものでもあるのだ。
それが待遇の問題か?といつも思う。
面倒なことは金で解決出来ればそれで良いと思う。
介護もそんな風に見られているんだろうなと思ってしまう。
本当に介護というものに向き合うのなら、介護職が安心して働ける環境づくりを求めたい。
だって、いきなり怒鳴ってくる人の所に一人で行くのは嫌でしょ?
セクハラしてくる家族がいるところに行くのは嫌でしょ?
高齢者はお客様であり、正しい存在であり、仮にそういう嫌なことがあっても受け止める必要がある、なんてそんな思いやりのあふれるものだろうか?
何があっても介護者が我慢したり、受け流す事が出来るだろうか?
そうではないだろうと思う。
私が会社を始めた時、最初にした大きな仕事はセクハラをした利用者(障がい者)を警察に突き出した事だった。
高齢者でも障がい者でも悪い事は悪い。
そして介護者はその怒りのはけ口ではない。
まずそこから入る改善策でないと、介護者には伝わらないのではないだろうかと思う。