なんか、もっともらしい事を言っているようだけど、では介護保険が始まってからの20年以上、あなたたちは何をやっていたの?と思ってしまう。
介護職の給料が安い事なんて、おそらく政治家も行政も知った事ではない。こうでもしないと制度自体が持たないからしょうがなく「やってあげている」のだ。
でも本当に給料の問題だけだろうか?
介護の現場というのは暖かい環境ではない。
高齢者というのはどういう人か。
子どもにとっては毒親だったかもしれない。
嫁にとっては散々いじめてきた姑かもしれない。
逆に過去に悪い感情が無くても、言う事を聞かない、言ったことをすぐ忘れる、余計なことをしてくれる、場合によっては危険なことをしてしまう、ついでにすぐ怒る、なんて年寄りを笑顔で接する事なんてできるだろうか。
年なんだからしょうがない、と割り切っていても、早く終わってくれないかなとか、場合によっては死んでくれないかな、そうは思わなくても施設に入って自分を解放してくれないかな、という気持ちは否定できないだろう。
介護現場というのは、そういう思いが錯綜している場所なのだ。
その前提がないと、いざ何かが起こった時に「こんなはずではなかった」とか「予想外だった」という事になる。
だからそういう場面で働く我々の危機管理能力は、もしかしたら刑務官レベルの能力が求められるのかもしれない。
私はこのように考えていたから10年以上もケアマネの仕事をできたし、大きなトラブルに合ったこともない。
人を疑ってかかるとか、信用しないとか、本来人の優しさと対極にある考えが危機管理になっているというのは皮肉な話だが、これが介護の仕事を長く出来た要因だと思っている。
どうだろうか。誰でもできる事だろうか。
当たり前というならそれはそれで。