ケアマネジャーが行うモニタリングでは、「作成したケアプランが正しく行われているのか」「改善できる点はないか」といった確認を最低月1回行うというのが定義。
とはいえ、そんなに変更する事はなく、かつては利用者に利用票を交付し、控えに印鑑を貰う「スタンプラリー」と揶揄されていたものだ。
モニタリングの場面というのは、私にとって、というよりケアマネにとってと言った方が正しいと思うが、利用者の気持ちを聞き出す一つの機会でもある。
勿論、周りからの意見でこれは必要だろうと予想していれるサービスもあるが、本人にその気はなく、というのもままある事。
いつだったかとあるデイサービスでモニタリングを行っていた時に、他の利用者から「この人は良いな、こうやってケアマネが聞きに来てくれるんだから。俺んとこなんか、ちょっと来て女房と話して帰ってしまう。デイサービスだって女房が行けって言うから来てるんであって俺の意見は聞いてくれない」とこぼしていた。
まあ、デイサービスなんて行きたくないと思う人はいるだろうし、かといって奥さんにしてみれば家にいられるだけ迷惑、なんて事情もあったりして。
つまり介護サービスは本人の為という入り口はあるが、家族の為という側面も重要で、かつあまり本音は言えないという事情も加味した妥協案と言ったら失礼かな。
それで記事より引用
「例えば、プライバシーに配慮したセンサーなどを用いて利用者の日々の生活状況を把握し、それをアセスメントに役立てることなどを想定。利用者の安心やサービスの質の向上、職員の負担軽減などにつながるとして、こうした取り組みを進める事業所を介護報酬で評価してはどうかとした。」
個人的な意見だが、ケアマネはあくまでも身近な専門家であり、生活の主体は利用者本人。そしてどうありたいか希望を出すのも本人、というのが自立支援の一つだと思う。
これだと生活状況を把握というより見張る、という表現の方が近いように思う。
更に
「あわせて、IoTの活用がケアマネの居宅訪問と同等の効果があると認められることを前提として、訪問頻度を減らしたり基本報酬の逓減制を更に緩和したりすることも要請。「介護業界でも生産性向上が叫ばれて久しい。より抜本的に取り組んでいかなければ、介護の担い手不足という国家課題への対処はもとより、産業としての国際競争力の強化にももとる」と訴えた。」
これをすることにより介護報酬減額もありうるなと思う。
もう一つ言えば、これらを行う事により訪問頻度を減らすことが出来るとは限らない。毎月必ず来て欲しいという人もいれば、必要な時だけ来てくれればいいという人もいる。
大事なのは業務効率よりも、利用者の状況把握であり、信頼関係を築くことである。モニタリングはスタンプラリーと揶揄されても、信頼関係を作る一つのきっかけにはなっていたと思うがいかがか。