倒産件数は増えているものの、全国の事業者数は微増。
という事は、小さい事業所は倒産して減り、大きな会社が事業所を増やす、もしくは小さな会社でも起業したという事か。
でも小さな会社が介護福祉士を確保して人員基準を満たすという事は考えにくい。
そうなると、今まで他の介護サービスを行ってきたところが訪問介護サービスを併設したというのが多いのかな。
介護のブーム、資格取得のブームは確かにあった。
あれから20年くらい経つ。
しかしブームが過ぎ去り、資格を取っても儲からない介護の実態。
儲からないだけじゃない。
介護保険という制度の中で仕事をしていると、様々な矛盾ややりにくさに直面する。
少なくとも介護保険の方向は、高齢者が自ら望んで決めたことではなく、高齢者にはこうあって欲しいという、こちらからの都合の良い、もしくは財政論から来ている政策と映ってしまっている。
例えば介護予防。
言葉の通り、介護状態にならないように予防しましょうという意味である。しかし実態はただの給付制限である。今まで単位内で自由に使えていたヘルパーやデイサービスに回数制限が出来た。事業所によっては儲からないからと介護予防の仕事を受けない所も多数ある。
「ぴん しゃん ころり」を目指すのは間違いではない。誰も長い間の寝たきり生活を望むものではない。
年を取り出来ない事が増えた高齢者。
意思表示がままならない障がい者。
そして出来ることはやっていると高齢者は言いたいんだろうとは思う。出来ないからヘルパーに頼んでいる。頼まなくて良いなら頼みたくない。
これだけでも国の目標と高齢者の気持ちにはギャップがある。そしてヘルパーはその板挟みにあう。
出来ることならやってあげたい事もあるだろう。しかし現実的に出来ない。それはプランを変える事が事業所にとって、ケアマネにとって面倒と思われているのかは分からないが。
そうし閉塞感もあり、次代を担う若者を育てられなかった。これは歴史の浅い未成熟な業界ゆえの事であるかもしれない。
介護の仕事に明るい未来はあるのだろうか。