私は33歳で起業した。というと「すごい」とか「羨ましい」とか大体においてはプラスの評価される。中にはコンサルタントをやりたいとか、私を利用しようとするやつも多くいたが、何とか20年続けることが出来た。
では満足のいく会社経営だったか、と言われれば、「う~む」となってしまう。それは会社を大きくできなかったことや売り上げも微々たるもので、おそらく承認欲求というか、自己満足感には欠けるものだからと言える。
ここまで書くと、自己欲求の実現のために起業したのか、という事になるが、一面あるとしても介護の仕事は自分にとっては「やりたい仕事」であった。
最初に行っておくが、私は起業したいなら「やりたい仕事」ではなく「出来る仕事」を選ぶ駅だと考えている。
「やりたい事」を仕事にでき、成功したならそれは素晴らしいと思う。
私の場合は介護というか福祉の仕事であるが、困っている人の助けになる事が出来る事、人間理解、そうした自分の中のテーマを一つ一つ向き合う事によって整理できた事はおそらく人生の最後振り返った時に満足感は得られるとは思う。
しかし、会社というステージを考えた時、私の目標は売り上げを上げて、会社の給料で生活が出来、その面で社会に貢献したいという事であったが、それは叶わなかった。
それでなんでここまで続けられたかと言えば運が良かっただけの事で、例えば実家の使っていない事務所を使えたり、他の収入があるので売り上げが小さくても会社を継続出来たりと。
でも、きちんと売り上げを出して、社員を路頭に迷わせないようにするにはやはり「出来ること」が仕事になったほうが良い。「やりたいこと」はその「出来ること」である程度ゆとりが出来てからでも遅くはない。
介護の経営に関して言えば、例えどんな資格があっても、どんな立派なキャリアがあっても、営業で頭を下げる素直さやチームに貢献するという姿勢が無ければお客さんを紹介してもらえない。
従って企業を考えるなら「これならいける!」という自信がついてからだ。それにはまず顧客の獲得が1番。スキルは2番である。
「人は得で近づき、徳で離れなくなる」という事だ。