平成10年、八王子駅前で橋本龍太郎総理の演説を聞いたことがある。丁度、消費税が3%から5%にあげる時だった。私は総理大臣の演説を生で聞くのは初めてだった。そこで出た「消費税を3%から5%にさせて頂く。1%は福祉に使う。もう1%は未来の子供たちに借金をしているのでそれに使う」という言葉、実際にそのように使われたかは分からないが、納得というか力強さを感じた。
しかし当然のことながら負担が重くなることをだれも望まない。
結果としてその時の選挙は自民党が結果的に惨敗。苦虫を噛み潰したような顔で「チクショウ・・・」とつぶやく姿が印象的だった。結果橋本内閣は退陣という流れになった。
その時の聴衆の事を覚えているが、ヤジを飛ばすものはいなかったように思う。しかし自民党に入れないという投票行動で意思を示したのだ。
ところが最近は表現の自由、言論の自由とばかりにヤジを飛ばしたり、議論の場でも相手の話している途中に割り込んだりというシーンが目立つように思う。相手に意見を言わせないというのも手段なのかもしれないが、演説を聞きたいという人にとっては邪魔をされているわけで。
国会ではヤジは「議場の花」という。
そこで伝説の人と言えば三木武吉であろう。
「得意即妙で歴史に残る」ような品格のあるヤジならば、時に殺伐とした議場内でも笑いを誘い、問題の本質を浮き彫りにする「絶妙ヤジ」になりうる。
そういうヤジなら聞きたい。
