2021年制度改正で運営基準に入れることは必須となった「ハラスメント対策強化」現場の人間としてはやっと来たかという印象を持つ人も多いのではないだろうか。
介護の利用者というのは「客」か「患者」か。
「客」というのは何をしてもいいのか。
「良いヘルパー」とは何ぞや。
基本的な人間の関わりや介護の在り方が問われる問題になっている。
昨今、人間関係が希薄になっている事は良く取り上げられている。
昔は近所に頑固おやじみたいなのはいたし、理不尽な先輩もたくさんいた。でも同時に優しい人も沢山いたし救われる場面もあったと思う。
ところが人数が少数になれば言われる方は言われっぱなし、怒る方は怒りっぱなしで、そこにある本質を理解する過程がない。
そうすると、面倒くさい人間関係からは距離を置きたくなるのも当たり前。ひいては孤独を感じる若者も多くなるという構造も必然と言える。
それで、このハラスメント問題。
このヘルパーの事で言えば、ヘルパーひとりに押し付ける問題ではない。
個人的な提案であれば、二人ヘルパー派遣を提案したい。
勿論、暴言を言われたら、言い返して良い。
利用者の側に立てば、老いてゆく不安、病気の苦しみからくる痛みでひとを気遣う暇などないというのは理解する。
しかし、だからといって人を傷つけて良いとはならない。
いや、人を傷つけている感覚もないか。
なので、正論は通じないと思ってよい。
こちらが正論で論破したところで、問題は解決しない。
だから一人では対応できない。
介護職だからと言って下手に出る必要はない。
こういう場合「地域包括ケア会議で~」なんて言う人もいるかもしれない。
でも、地域の鼻つまみ者を扱う事業所にしてみれば、ハッキリ言って意味はない。
私もこんなケースを担当したことがあった。
最初に話した時から、この人には施設入所で抑え込むしかないと思っていた。なので、話すたびに厳しい事を言ったが、結局私が気に入らないという事で担当替えになった。
その後、その地域包括ケア会議なるものにかけられたが、最終的には施設入所になったようだ。
ハッキリ言えば、ダメな奴はダメなんだ。
人間の尊厳とか言う人もいるだろう。
でも、介護職にだって尊厳はある。
暴言を吐かれ、場合によっては手を出されてもいい尊厳なんてない。
殴り返すのはまずいけど、言い返していいんだよ。
介護職をなめるなよ。