以前、三島由紀夫のインタビューが印象に残っている。
大正14年生まれの彼が昭和40年に受けたインタビューがyoutubeにあった。
終戦を挟み、前半20年、後半20年を振り返るというものだ。
要約すると
前半20年、後半20年をどちらが生き生きとしていたかというと間違いなく前半20年である。その時は戦争時であり、いつ死ぬかもわからない状況で頬をなでる風の心地よさ、川の水の冷たさを感じると戸で生きている実感があった。後半20年の楽しみはレジャーの楽しみであり、自分には薄いものだとそんな感じ。
そして昭和45年11月25日、陸上自衛隊市谷駐屯地で割腹自殺をする。
物質的な欲求というものは止まることを知らない。
日頃の寂しさや憂さを買い物で解消している人も多い。
確かに死んだら、あの世にお金は持っていけない。
持っていけるのは思う出だけだ。
とは、前に勤めていた老人ホームの理事長の話だ。
私も趣味はあるが、ひとつ心地よさを感じるのはマンションのベランダからみる景色だ。
景色は四季折々の顔を見せる。
その移ろいを感じる時、時の流れを感じるのだ。
お金を使ってレジャーを楽しむことが悪いわけではない。
しかし、どうもそれを生かすのが私は下手のようだ。