先日対応した利用者の話。
利用者は奥様。要介護4。
家族はご主人。奥様と同じ76歳だったかな。
2か月前、転倒して大腿骨頚部骨折。
オペはせず保存。ADLは介助で立ち上がるのがやっと。
排泄はバルーン留置。
殆ど自分からは動かない状態。
ご主人は今もフリーのカメラマンとして働いている。つまり介護力としては不安定。
そして何よりも匂いがダメ。
それを聞いた時に、介護力はないと判断。
病院の説明を聞いても、まずこの状態での在宅介護は不可能。
とりあえずショートステイで時間を稼ぐ。
そしてご主人から電話。
どうも家に帰りたいみたいだから、一回家に連れて帰ると言う。
でもそれは本音じゃない。
お金を使いたくないから在宅介護希望。
そこで試算。
朝の歯磨きから着替え
デイサービスの送り迎え
デイに行かないなら体位交換、食事介助、水分補給
バルーンが抜けたら訪問看護に連絡
その間に失禁したら大変
などなど
金額から換算するとたいして介護サービスを入れられない。
そこで介護サービスが入らないところはあなたが対応するんだよと話すと、えーっ!となる。
もともとご主人は奥様に対して何もしたくない人で
介護サービスを体の良いタダ働きと考える傾向にある。
それに匂いがダメという事で
摘便はデイサービスでやってほしいとの希望。
コンコンと話し、結局施設入所で決まる。
このご主人は決して自分勝手な人ではないと思う。
あくまで一般的な意見で、知らないが故の意見だと思っている。
しかし、在宅希望が奥様と一緒にいたいという真心からくるものであれば
どんな形であれプランを作ることはできる。
でも、金額ベースで考えれば
施設の方が安く済むという事になる。
在宅で死ぬまで暮らすという事は
人にお世話になるという事は
先ほど挙げたもののような介護を受けることになる。
しかも24時間
だから家族が介護をするという事は難しい。
介護サービスを利用すると言っても
他人が家に入ることを良しとしない考え方もある。
もっと介護というものは
元気なうちから理解を深める必要があると思う。