私が老人ホームに勤めていたころの話だから、かれこれ23、4年ほど昔の話になる。
まだ介護保険という制度がなく、措置制度という制度で高齢者福祉を行っていたころ(そういえば介護という言葉も一般的ではなかった)、多摩地区で老人ホームの建設ラッシュがあった。
話を聞けば、1床いくらの補助金を出す代わりにその区の高齢者を入れることを約束するというもの。
私は養護老人ホームだったが、その市の人は3分の1くらい。
3分の2は他市、他区から来た人であった。
当然だが施設を建築するには土地もお金もかかる。
23区では土地の確保すらままならない。
そこで、多摩地区に新しくできる老人ホームのベッドを確保する「ベッド買い」が起こった。
先日、在宅か施設かという話を家族とした場合、私は東京都の東部であり、区がベッドを確保している多摩地区より、埼玉県の方が近い旨を説明、結果そのような方向になった。
記事の通り、多摩地区に行く人は、家族の面会もない、どこでもいいという人が多い傾向にはあると思う。そこで生活保護の方。意見として、生活保護は費用の取りっぱぐれはないからいいだろうというのもあったが、市の財政を圧迫する一つの要因にもなる。なので、他市区から老人ホームに入る場合は住所地特例が適用され、転居前の住所地で保険料を支払うことになる。
今はなじみのない話になったが、何となく懐かしく思えて書いてみた。