「これが、あなたが子供たちのために夢見る世界?」 | カイとわたしの場合~オーストラリアx自閉症xシンプルライフ

カイとわたしの場合~オーストラリアx自閉症xシンプルライフ

高校生になった自閉症児カイと、シングルマザーのわたし。オーストラリアはメルボルンにて、ふたり暮らし。そんな私たちの毎日を綴っています。

メルボルンでは、金曜日からワクチン2回接種者のみ店内で座って飲食ができるようになりました。
 
フリーダムデーであり、医療アパルトヘイトの始まりの日。
 
 
でも、ワクチンのステータスによってそういった差別をしないで、

「全員が同じ条件になるよう規制が変わるまでは、テイクアウェイを続ける」

と表明したカフェやレストランがいくつかありました。
 
この週末、そういうお店のリストの中から、我が家から行きやすいところを選んで早速行ってみました。

 

 

 

オーダーする時に、

 

「インスタを見て、お店の方針を知ったので初めて来ました。ありがとうと言いたくて」

 

と伝えたら、オーナーの女性はすごく喜んでくれました。

 

 

私の前にオーダーしていた男性も、同じ理由でこのお店に来たようでした。

 

男性と少し話した後、オーナーさんは私のところにも来て話をしてくれました。

 

 

「本当にありがとう。


今日は同じようにインスタを見て、

遠くから来てくれたお客さんもいっぱいいたのよ」

 

 

そして、South Gippsland(車で数時間かかるエリア)の人も、

 

「差別をしない決断をしてくれて、本当にありがとう」

 

と、お店にわざわざ電話をかけてきてくれたのだと教えてくれました。

 

 

私はそれを聞いて、もううるうるしちゃいました・・・。

 

 

そこから、私のオーダーしたサンドイッチが出来上がるまでの間彼女と話をしました。

 

なんと、このカフェはほんの8ヶ月前にオープンしたばかりだそうです。

オープンしたものの、ほとんどがロックダウン期間中だったということです。

 

やっと店内でもサービスを提供できるようになる機会でしたが、

このオーナーさんは、それでもテイクアウェイだけでいくという決断をしたんです。

 

 

彼女は、こう言ってました。

 

 

やっぱりこのやり方はオーストラリアのスピリットじゃないと思ったの。

 

 

オーストラリアは本当に素晴らしい国だし、

そういうコミュニティでのつながりを大切にしたいと思ってるから。

 

全員同じ条件で食べられるようになるまでは、差別みたいなことはしたくない。

 

このエリアで他にも同じような決断をしたカフェがあるから、

私もそこにも応援の意味で買いに行ったりもしてるのよ。

 

 

私には子どもが二人いるの。

 

子ども達のためにも、いいコミュニティを作って、

人とのつながりを大切にしていきたいよね。

 

この決断に批判もあるとは思ったけど、

やっぱりこれは自分の信念として納得できないから。」

 


 

もう、涙腺崩壊ですよ・・・。

 

 

実際、インスタには批判のコメントもついていました。

 

 

「常連だったけどもう行かない」

「近年稀に見るヘルスクライシスなのに何考えてるの」

 

でも、それ以上にサポートのコメントが多かった。

 

 

オーナーさんは、

 

「店内でも食べられるようになったら、また是非来てね。

今日は本当に来てくれてありがとう」

 

と言ってくれました。

 

 

 

うんうん、絶対来るし、その前にも時々テイクアウェイ買いに来る!!!涙

 

 

 

すごくいい会話ができたし、ここに買いに行ってよかったなぁと思いました。

 

久々にコミュニティの繋がりのようなものを感じて、心がじんわりあったかくなりました。

 

 

エビのサンドイッチも美味しかったです。

 

インスタでの投稿だけを見て決めたので、
どんなものを売っているのかよく知らないまま買いに行きましたが、
カンボジアのサンドイッチみたいです。
 
最初ベトナムのバンミーかと思った!

 

オージースピリットについて語ってくれたオーナーさん、
東南アジアの方だなとは思ったけど、きっとカンボジアの人なんですね。

改めて、ありがとう。素敵な人でした。

 
 
 
 
帰り道に通りがかった別のカフェのガラス窓には、いろんなメッセージが書いてありました。

 

正面に車停められなかったんで、ちょっと見づらいかもしれないけど

 

 
"Be fearless" 恐れないで

“NO Division" 分断反対
 
"Is this the world you dream about for your children?"
 

 
「これが、あなたが子供たちのために夢見る世界?」
 
なんか、ずしーんと来ますね。。。



私の息子は自閉症で、自分で状況を理解して行動したり、自分を守るための判断ができません。
 
色々なことをするのに、これからもずっと、沢山の人の助けが必要です。
 
 
だから尚更、息子やこれからの世代の子ども達のためにも、
いいコミュニティを創って残していきたいなとずっと思ってきました。
 
 
 
オーストラリアは素晴らしい国で、メルボルンも大好きな都市です。
 
 
ここ最近は、かつての「世界一住みやすい都市」のあまりの変わりように、心がめちゃくちゃ折れまくっていましたが、、、、
 
 
あのカフェのオーナーさんと話して、こういうメッセージを見て、すごい元気が出ました。
 
 
 
まだちゃんと希望もあるし、温かい人との繋がりもありました。
 
 
政府はワクチンのステータスで社会を分断しようとしているけど、
偏見を持つ人も多いとは思うけど、
 
 

そうじゃない世界もちゃんとまだある。
 
 

そう確信できたし、やっぱりこれからは、同じような想いの人たちと繋がる選択をしたいと思いました。
 
 
 
 
今日ダンが発表した新しいロードマップは、ワクチン未接種者の存在を完全に無視したものになってました。

 
12歳以上の90%接種率を目指すみたいです。
多分ダンは、「世界一接種率の高い都市」を目指しているんだな。
 
 
でも、私たちは単なる数字じゃない。
 
そういう世界を子ども達に残したいわけじゃないんだーっ
 
 
 
 
 
「これが、あなたが子供たちのために夢見る世界?」
 
今はYESとは言えないけど、いつか絶対にYESと言えるように、自分のできることをやっていきます。