嵐と祈りと希望と | カイとわたしの場合~オーストラリアx自閉症xシンプルライフ

カイとわたしの場合~オーストラリアx自閉症xシンプルライフ

高校生になった自閉症児カイと、シングルマザーのわたし。オーストラリアはメルボルンにて、ふたり暮らし。そんな私たちの毎日を綴っています。

あっという間に一週間が過ぎていた・・・。
 
今週も、メルボルンは盛り沢山でした(笑)
 
 
大きな嵐が来ましたよ。
 
夜中にすごい雨と風で、なんか音もすごいなと思っていたんですが・・・
 
明け方起きたら停電になってました。
 
幸い、我が家は昼前には電気が復旧しましたが、うちのエリアではいまだ電気が戻らない家も結構あるみたいです。
 
あちこちで木が・・・
風の強さがすさまじかったので、かなりの被害が出たみたいですね。
 
 
そして、今週は・・・
 
ダンがご乱心?
 
すごい法案をぶちこんできました・・・。
 
 
解説すると、ビクトリア州は去年からずっとState of Emergencyという緊急事態宣言のような状態になっています。
 
このSOEの状態だからこそ、政府はこのようなことが出来ます。
 
  • ロックダウンによる外出制限など
  • ビジネスをクローズ
  • マスク着用義務化
  • ワクチンの推進・義務化
 
このState of Emergencyは、Chief Health Officerがサインして、毎月更新されてきました。
 
上のような「命令」はCHO Directionsと言って、実は法律ではないんです。
 
 
本当は去年の時点で、このSOEは法律上これ以上延長できないということになってたのが、コロナ禍の緊急事態ってことで、特別にSOEを延長できるように審議したそうです。
 
その時、Labor党だけでは人数が足りないので、「クロスベンチ」と呼ばれる他のマイナーな党と取引をして、さらに3票獲得。
 
無事に(?)SOEを延長して、みなさまもご存じの通りメルボルンは世界一長いロックダウンの記録を達成しました。(全然名誉じゃない笑)
 
 
しかし、このState of Emergencyは、法律的には今年の12月15日までしか延長できないんです。
 
それ以上は、絶対にSOEを延長できないので、そうなるともうロックダウンも出来ないし、ワクチンを義務だとかも言えなくなるのだそうです。
 
 
せっかく手に入れたスーパーパワーを失いたくないので、ダンは12月になる前にこのState of Emergencyを正式に法律化しようと陰でこっそり進めていました。
 
 
それで、今週の平日の夜いきなり「明日パンデミック法案を議会にかける」と。
 
通常は、なにか法案を審議する場合は、2週間ほど前に公開して一般の人も見ることが出来るし、議員たちも充分内容を理解した上で質疑応答に臨んだり、法律の専門家の意見を聞いたりする時間があるのだそうです。
 
 
なのに、3人のクロスベンチ達とだけこの法案をこっそり作り、しかも120ページもあるのに、翌日から議会にかけてしまったんです。
 
 
他の議員さん達も内容をまったく知らされていない上に、事前に時間を与えられないまま議会にかけるというダンの暴挙にマジ切れですわ・・・。
 
しかも、この法案の内容が相当ひどい!
 
  • 議会やその他の専門家の意見を聞く必要なしで、全ての決定権を州首相(ダン)ひとりが握る
  • ビクトリアで実際に疫病などが発生していなくても、州首相の一存で「パンデミック」を宣言できる
  • 州首相の好きな時にロックダウンできる
  • 州首相の命令に背いたら、$90,000の罰金か2年間の刑務所いき
  • 人種、宗教、政治的スタンス、ジェンダーなどに基づいて、特定の人々にのみ命令することもできる
 
つまり、世界のどこかで何かの病気が流行っただけで、オーストラリアでは全然流行っていなくても
 
ダンは「パンデミックだ~」と宣言して、
好きな時にロックダウンをすることができ、
マスク着けていないだけで罰金90,000ドル取られる可能性もあり、
プロテストに参加した人たち全員を刑務所に入れることや、
「このエリアは接種率低いから、ここの住民全員に接種義務付ける!」とか、
ワクチンを打ってない人達を危険として収容所に送ることもできちゃうわけです。
 
来年は選挙ですが、パンデミックだから選挙も延期!とか出来ちゃうんです。
 
 
とにかくパンデミックの名のもとで「なんでもアリ」に出来るように、かなり曖昧な言葉遣いで幅を持たせた法案となってるんです。
 
 
しかも、これは期限が決まっているState of Emergencyとは違って法律なので、決まったら「永久」の効力です。
 
期限を気にせず永久にパンデミックを宣言し続けることもできるんです。
 
 
な、なんと恐ろしい・・・!
 
 
あまりの内容に、
 
ビクトリアの最高峰ランクの弁護士たちが連名でこの法案に懸念を表明したり(異例のこと)、
 
普段は政府に反対意見を言わないようなジャーナリストたちも「この法案は、ないわー」とはっきり言ってます。
 
 
 
しかし、このびっくり法案は下院をあっけなく通過・・・・・えっ
 
 
 
11月中旬に上院で審議されて可決かどうかが決まります。
 
 
 
ビクトリアの人々は、キレましたよね。
 
 
世界で一番長いロックダウンを体験して、それでも日々のケースは増えていき、接種率がある程度達すれば自由になると言われ、さらに打たないと仕事できなくされ、そんなこんなでやっと規制もかなり無くなってきて・・・
 
というところに。
 
みんなが久々の自由を満喫し出したタイミングで、通常のステップを踏まないで無理やりすごい内容の法案を通そうとゴリ押しですから。
 
 
ということで、昨日はシティで法案反対のラリーが起きました。
 
メインストリームのメディアは「数百人」とか言ってましたが、実際はもっと沢山いました。1万5千人くらいいたとか?
 

 

Facebookアカウントお持ちの方は、フルでライブ映像も観られます。
 
私もライブで見てましたが、昨日はいつもと少し違いました。
 
普段プロテストやラリーに参加していないという人達も参加していました。
 
 
現役の議員さん
最近退職したビクトリアポリスの警官
 
などもいたし、警官たちも周囲で見守るのみで平和に進んだのでよかったです。
 
生まれて初めてプロテストに参加した、もうただ黙っているだけなんて出来なかった、と言ってる人もいました。
 
 
いろんなスピーチもありました。
 
それぞれのスピーチもよかったですが、一番グッときたのは、バイオリンでのオーストラリア国歌演奏。
 
これは思わず涙した人も多かったはず・・・。

 

 

 

ただでさえ長いロックダウンで精神的に参っているのに、さらにこのパンデミック法案をゴリ押しされて、ストレスと不安と恐怖のピーク状態だった人も多いと思いますが・・・

 

昨日のラリーでは、いくつもの「祈り」がありました。

 

また希望を持てたと言っている人もいました。


分断されてバラバラになってたものが、ここでひとつにまとまったような感じでしょうか。

 

 

 

 
逆に、ビクトリアの人たちの中でも、「まだプロテストなんてしてたの?」「今度は何のプロテストしてるの?」というコメントしている人達がいましたが・・・
 
この法案が通ったら、ビクトリアの民主主義は完全に崩壊ですよ。もう後がないです。
 
 
 
 
 
ここで、なんとか方向転換しないといけないです。まだギリギリ間に合う。
 
 
 
この2週間が、ある意味でビクトリア州の運命の分かれ道です。