子どもの心に種を蒔く: その1 | カイとわたしの場合~オーストラリアx自閉症xシンプルライフ

カイとわたしの場合~オーストラリアx自閉症xシンプルライフ

高校生になった自閉症児カイと、シングルマザーのわたし。オーストラリアはメルボルンにて、ふたり暮らし。そんな私たちの毎日を綴っています。

最近、なぜか自分が子どもの頃のことをよく思い出します。

 

初めはランダムにぽつぽつと思い出すエピソードがあって、なぜ今これを急に思い出したんだろう?と思っていたのですが・・・

 

だんだんとそれが点と点が繋がって線になってきたような感じです。

 

後から思えば、思い出していたのは「自分がどうやって今の自分になったか」を考えさせられるようなエピソードでした。

 

ひとつの共通点というかあるテーマに繋がる思い出。

特に日本にいる祖父のことを頻繁に思い出しました。

 

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(数年前里帰りした時の写真)

 

 

祖父を思い出す・・・と言っても、祖父はまだ元気に生きています(笑)

私がもっと小さかった頃から結構最近までの祖父を思い出していた、ということです。

 

 

ブログでも何回か書いたのですが、新しい読者の方などはご存知ないと思うので・・・

 

私の祖父は戦争で右腕を無くし、二の腕の途中から先がありません。

 

祖父のことを書いた過去記事

 

ひいおじいちゃん

90歳を超えても元気な秘訣は?

 

 

過去記事を読んでいただければわかるかと思いますが、うちの祖父はすごいですよ。

 

20代で腕を無くしてから70年くらい、左腕だけで生活しています。

私が中学生の時に祖母が亡くなった後も、ずっと一人暮らしをして身の回りのことなど全てひとりでやっていました。

 

腕は一本しかないけど、ちゃんと料理もしていました。

片腕で出来ない部分は、家電なんかで乗り切ってましたよ。

 

お米研ぎが上手くできない→ハンドミキサーの低速

字が上手く書けない→ワープロでタイプ(今はパソコン)

 

片腕しかないので宅急便の荷物を出しにいく時に箱を持ちづらい・・・そこで、箱に上手に紐をかけて持ち手を作って運んでいました。

私も同じようにやってみようとするけど全然ダメなんです。両手使っているのに。

祖父の方が断然うまくてきっちりと緩みなく紐をかけられるんです。

 

祖父はずっと電気屋さんのセールスの仕事をしていたので、最新家電には詳しかったです。

さらに、引退した後もちょこちょことお店のお手伝いをしていたこともあったみたいで・・・

 

田舎で皆顔見知りだし、お金はあるけどどういう家電がいいか分からないっていうおじいちゃんおばあちゃんに、「これがお薦め」とか「こういう風に使うんだ」って教えたり。

みんな「○○さん(祖父)のお薦めなら買うわ~」って、どんどん買ってくれたようです(笑)

 

それで80代になっても「じいちゃん最近ちょっと働いたから臨時収入があったんだ~」と言って、私たち孫にお小遣い(結構な額!)をぽいっとくれたり、ということもありました(笑)

 

 

当時の私は、お小遣いをもらったことよりも、おじいちゃんもう80代なのにまだ働いてたんだ!!ということの方が衝撃でした。笑

 

そして極め付けは・・・

祖父が80代のある日、埼玉の実家に突然電話がかかってきて

 

「じいちゃん家を建て直すので、しばらく仮住まいします。

電話番号は同じなのでよろしくね。

じゃあ、また三か月後、家が完成したら連絡します」

 

え え え ~~~?!

おじいちゃん、80代の半ばだけど、今から自宅を建て直すの~

 

しかも三カ月の間、どこに仮住まいしていたのか私たちは教えてもらえませんでした(笑)

 

そして三か月後、祖父の新居は無事完成しました。

その後遊びに行ってみたら、床暖房完備で二階建ての素敵な一軒家になっていました。

 

以前も一軒家でしたが、古いのが嫌だったようです。古いって言っても、ボロボロじゃないですよ。むしろ小ぎれいでいい感じの普通の一軒家でした。

 

でも、祖父は自分の気に入った家を建てたかったんですね。

普通80代にもなれば、自分もあとどれくらい生きられるか分からない・・なんて思って、自分ひとりで暮らしている田舎の一軒家を新築にしようっていう発想はなかなか生まれないかと思いますが・・・・

 

祖父の辞書に妥協という文字はなかったようです。

 

息子である父ですら、建て替えについては祖父からは事後報告みたいな感じでしか言われておらず、本当にすべて祖父ひとりで建て替えしてたので・・・

 

私たち家族の中では

「やっぱりじいちゃんはすごいね~!!」

 

このひと言しかありませんでした。

家族の中で一番自立していたのが祖父でしたね(笑)

 

 

そんな祖父も今年で96歳だったかな?

実は秋田から出てきて、去年から両親のいる実家でついに同居生活を始めました。

 

長い間父が一緒に住もうよ、と言ってもなかなか首を縦に振らなかった祖父が、ついに同居。

 

でも、秋田に建てたあの新築一軒家には結局10年以上住んでいたので・・・本人も満足だったかなぁと。

 

さすがに最近は足腰が弱くなってきているようですが、まだまだ元気・正気ということです。

 

うちの父は実は一人っ子長男なのですが、父も母もいまだ在宅介護というものを経験したことがありません。

 

おじいちゃんまだ元気なので。。。

 

 

そんな祖父とはたまにLINE電話なんかで話しますが、相変わらず冗談ぽいことを言ったりするのが好きなんですよね。

頭がまわってないと、冗談とか言えないですからね。

 

二年近く会ってないので、実際はどんな感じになっているのかな?とも思いますが・・・

たまに父が送ってくれる写真なんかを見ると、変わらず元気そうな祖父の姿があってほっとします。

 

 

長々と書きましたが・・・・なんだか最近やけに思い出される、祖父の昔のエピソードの数々なのでした。

 

そして、ここからまた繋がっていったのです。

 

 

 

それについては、また続きで書きますね。