イーロン・マスク氏のTwitter社の買収(くすり×リテラシー2022年4月6日4月26日7月9日)について、マスク氏側が4月下旬に合意した価格で買収取引を再開する意向であることが明らかになりました(日経2022年10月5日①10月5日②)。報道によるとこれは、Twitterから訴えられた裁判で、マスク氏側に不利な判断が示されそうだからだそうです。泥沼裁判にならずに済むとの期待からか、直後にTwitterの株は急騰しました。

 

NHKの番組(フェイクバスターズ「“出版の自由”と医療情報」2022年8月5日放送)では誰もが自己の主張(たとえそれが科学的には変でも)を出版できる自由がテーマになりました。SNSも同様に、誰もが自己の主張を投稿する自由があると筆者は考えます。マスク氏に期待するのもその点です。

 

でも特定個人に対する誹謗・中傷は明らかに害が大きく、見逃すことはできません。10月1日に施行された改正プロバイダ責任制限法では、SNS等で誹謗・中傷等をした人が誰か、プロバイダ側に情報開示を求める手続が簡易・迅速になりました(総務省プロバイダ責任制限法)。

 

SNS上の偽情報(くすり×リテラシー2022年5月1日6月10日9月24日)対策として、まずは情報を受ける側のリテラシー(ネットリテラシー、筆者としては科学リテラシーやヘルスリテラシーも)を少しでも高める(少なくとも高める努力をする)ことだと思います。でも教育が実を結ぶには時間もかかるので、情報的健康(くすり×リテラシー2022年3月3日9月3日)を確保する意味で、プラットフォーム事業者や専門家(プロのジャーナリスト含む)による中立的かつ冷静なファクトチェック(くすり×リテラシー2022年9月29日)も進めてもらいたいです。