オミクロン株(B.1.1.529、くすり×リテラシー2021年12月8日、12月24日、12月31日、2022年1月5日、1月7日、1月7日)が日本でも急速に拡大しています。本日(1月12日)の新規感染者(=検査陽性者)数は久しぶりに全国で1万人を突破(NHK2022年1月12日)。これまでの変異株より感染しやすいのは確かなようで、実家の母親からも、遊びに来なくていいと電話がかかってきました(!)。
流行は米国や欧州で先行していて、WHOは1月11日に「現在のペースで感染拡大が続けば、2か月後には欧州の人口の半数以上が同株に感染する可能性がある」と警告(脅し?)しました(AFP2022年1月11日)。ただ、「現在のペースで感染拡大が続けば」という仮定は、必ずしも正しくないかもしれません。オミクロン株が最初に出てきた南アフリカでは12月初~中旬をピークに現在はずいぶん減っていますし、米国や英国でも先週をピークに今週は減り始めています。
ここ2年間は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で流行していない(厚生労働省集計)季節性インフルエンザは、例年なら感染者が「国内で推定約1000万人」(厚生労働省「新型インフルエンザに関するQ&A」)もいます。それに比べれば1万人と聞いてもさほど驚きません。
むしろ問題は、オミクロン株に対する社会の(過剰)反応のほうではないかと思います。これは日本に限りません。カナダのケベック州ではオミクロン株対策として、COVID-19ワクチンを打っていない人に新たに税金をかけることを検討しているとか(France24 2022年1月11日)。いきすぎたペナルティーだと思います。もっと落ち着いて!と言いたい気分です。
(2022年1月13日追記)
1月11日に発表された米国カイザーパーマネンテのデータを用いたプレプリント(medRxiv published Jan 11, 2022. DOI: 10.1101/2022.01.11.22269045)によると、オミクロン株感染者(5万2297例)はデルタ株感染者(1万6982例)に比べて、入院する割合が低く(オミクロン株235例(0.5%)対デルタ株222例(1.3%))、入院期間も短かった(入院期間中央値が3.4日短縮)とのことです(DailyMail2022年1月12日)。まだプレプリントではありますが、オミクロン株の重症化リスクは低そうです。