3月12日開催の第53回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和2年度第13回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催)で、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンの副反応が議題に上がりました。

 

接種後の死亡例(くすり×リテラシー2021年3月2日

資料1-3より抜粋)61歳女性、基礎疾患なし。薬物、食品、他の製品に対するアレルギーはなし。併用薬なし。2月26 日15時45分にワクチン初回接種。予防接種前、COVID-19と診断されておらず、接種後にCOVID-19の検査は受けていない。併用薬は報告されなかった。COVID-19ワクチン接種4週間以内に他のどのワクチンも接種していなかった。3月1日(ワクチン接種3日後)は出勤予定だったが、出勤しなかったため、報告者は患者の家族に連絡。帰宅した家族が自宅風呂場で倒れているのを発見し、救急要請。救急隊現着時には心肺停止状態で、医療機関に搬送され、死亡が確認された。死因はくも膜下出血。

 

接種後のアナフィラキシー(くすり×リテラシー2021年3月6日3月9日)、→以下は追記

資料1-4より抜粋)2月17日から3月11日までに37例が報告され、3月9日までの17例(全員女性)を分析した。ブライトン分類(レベル1:2例、レベル2:4例、レベル3:1例、レベル4:9例、レベル5:1例)。

→ブライトン分類レベルは数字が若いほど重く(Jpn J Pharmacoepidemiol. 2015: 20: 55-62.)、レベル4は「判定不能」、レベル5は「アナフィラキシーではない」なので、レベル1~3だけなら7例になる。

資料1-5より抜粋)アナフィラキシーの報告は接種100万人当たり204件(37件/ 18万1184回)と、欧米で公表されている報告件数と比較して多い(英国は100万件当たり18.6件、米国は最新の数字で100万件当たり4.7件)。

→ただし資料1-5では、以下の2点を挙げて、頻度の単純比較は難しいと評価していました。

・日本の報告数は、医療機関からの報告数そのものであることから、情報を精査した場合に、ブライトン分類ではアナフィラキシーに該当しない可能性がある。 →レベル4と5を除けば頻度は下がる

・海外では、 接種開始当初は報告の頻度が高かったことや、丁寧に報告を求めた研究報告においては発生頻度が高かったとの報告もある。 →日本でもそのうち下がってくるかも?

・接種対象者の背景が我が国と異なる可能性(医療従事者に加えて高齢者にも接種)

 

確かに日本は接種開始直後とあって丁寧に(=多めに)報告されている可能性はあると思いますが、英国の10倍以上、米国の40倍とケタ違いに多いのは気になります。