新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチン接種後にアナフィラキシーを起こした人が連日報告されています(くすり×リテラシー2021年3月6日)。米国の先行研究によると、mRNAワクチンの場合、アナフィラキシーが100万回あたり2.5~11.1例の頻度で起こっていると推定されており、多くはアレルギー歴のある人です(JAMA published on Feb 12, 2021. DOI:10.1001/jama2021.1967)。これとは別の、米国マサチューセッツ総合病院の職員を対象にした前向きコホート研究の結果が、3月8日にJAMAに発表されました(JAMA. published on Mar 8, 2021. DOI: 10.1001/jama.2021.3976)。

 

1回目接種を受けた計6万4900人のうち、自己申告によるアレルギー反応は、Pfizer/BioNTech製1.95%(506例/2万5929例)、Moderna製2.20%(859例/3万8971例)に見られました。うちアナフィラキシーと判定されたのは、Pfizer/BioNTech製0.027%(7例)、Moderna製0.023%(9例)の計16例でした。16例の平均年齢は41歳、女性がほとんど(15例、94%)で、10例(63%)はアレルギー歴があり、5例(31%)はアナフィラキシーの既往がありました。

 

日本で報告されているアナフィラキシー症例(厚労省2021年3月8日更新)も、今のところ8例全例が女性です。女性であることとアナフィラキシーの起きやすさに関係があるのかは分かりませんが、注意しておきたいです。