親友 (2) | 梢の先に・・・ 

梢の先に・・・ 

  美しいものは、あなたの中に。
  マンダラアートからのメッセージをどうぞ♪

以前、怒りと向き合ったとき には

正直な気持ちを否定せず、

ひたすら「うん、うん」と肯定することで

解放することが出来ました。


しかし今回、それをやろうとすると


延々と自己否定・自己卑下


まで至ってしまい、

とんでもなくパワーダウンしましたダウン


面白いことをしようとしても

ホッとしようとしても

ほんの一時的で、

すぐにまた例の気持ちがやってきます。


こりゃあ、きっついなぁ・・・ショック!と思いながら

日々を過ごしていました。



  クローバー



さて、申し訳ありませんが

ここでいきなり話は飛びます。(後でちゃんとつながりますあせる


最近読んでいたのが

君について行こう 』というエッセイです。

漫画『宇宙兄弟 』のきっかけになった、

と知って、読んでみようと思いました。



ご存知の方もいらっしゃるでしょうが、

宇宙飛行士の向井千秋さんの旦那様、

向井万起男さんが書かれた作品で、

千秋さんとの出会いから始まり

スペースシャトルの打ち上げの日までを

独特の語り口で、観察眼鋭く

かつユニークに綴っておられます。



そもそも、なぜお二人が結婚に至ったかというと、


「結婚前、私たち二人は親友同士だった。

 男女を問わず、

 私の一番の親友は内藤千秋だったのだ。

 一番の親友が女なら、そんじゃ結婚するしかないな、

 という感じで結婚を決めたのだ」


ということらしく、

本当にさばさばと友達同士のように、それでいて

お互いを尊敬しあっているのがわかりました。



かなり細かい描写で

向井さんご夫婦やその周囲の人々、

宇宙飛行士の選抜試験や訓練の様子などを

書かれており、

読んでいるうちにだんだん、

自分も一緒に千秋さんのそばで暮しているような

気持ちになっていきました。


で・・・


割と淡々と読み進めていたんですが・・・


下巻の最後の方で、ようやく

向井千秋さんの乗るスペースシャトルが

明日打ち上げとなる、という場面がありました。


その夜をひとりで迎えた万起男さんのモノローグです。


(※打ち上げ直前のため、

  千秋さんは既に他の宇宙飛行士たちと共に

  隔離された施設で寝起きされています)



「一人感慨にふけりながら海を見つめ

 これまでの長かった年月を思う夫か。

 いいなぁ、これって。確かに長かったもんなあ。


 思い起こせば、

 女房とオレがにらめっこをしてから19年、

 女房とオレが代々木駅で鉢合わせをしてから13年、

 女房が宇宙飛行士に応募してから11年、

 女房が宇宙飛行士に選ばれてから9年、

 女房がオレと結婚してから8年、

 女房が今回の宇宙飛行の乗組員に選ばれてから2年、

 とうとう来ました、このときが。

 人生って大変だよなあ、

 アイツと歩むオレの人生って、心配ばかりさせられて、

 とくに大変なんだよなあ、ホント泣けてくるぜ。」



そして、自分が悦に入っていることはわかりながらも

本当に涙が止まらなくなり、

まぶたが腫れるほどに泣いてしまうのです。



でも、私も泣きました。


それまでどれだけ万起男さんが、

千秋さんのそばで、彼女を大切に見守っていたかが

ちゃんと伝わっていたからです。



恥ずかしいですが私も、

ありえないくらい涙が出ました。


ちゃんと見てくれている人がいるありがたさ。

頑張り続けてきたことを認め、

応援してくれる人がいることの温かさ。



「あれ?これって・・・??

 本のせいだけじゃないような・・・」



そのとき、ハッと気付いたのです。









(次回に続きます)


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