思い出した出来事(3) | 梢の先に・・・ 

梢の先に・・・ 

  美しいものは、あなたの中に。
  マンダラアートからのメッセージをどうぞ♪

ゆっくりと、当時のことをまぶたに浮かべると

しーんとした、幼稚園の教室が現れます。


窓の外には、子ども達の喧騒。

まばゆい陽の光。

園庭に舞い上がる土埃。


ときどき、外に目をやりながら

薄暗い教室の隅の

本棚の横で、本を読んでいる子ども。


それが、5歳の私です。




本当は外で遊びたい。


でも、恐い。


友達が誘ってくれても、ついて行くことは出来ない。


本の内容など、頭に入って来ない。


でもそれぐらいしか、やることがない。




そんな小さな背中に、私は声をかけました。




「もう、大丈夫だよ。話していいよ」と。




その子は振り向き、私を涙目で見上げます。


何があったのか、

もうお互いにわかっていますから、

全部話す必要はありません。


小さな私は、胸に飛び込んで泣き出しました。




「 恐かったね。辛かったね。


 誰にも言えなかったんだよね。


 1人で、抱えてたんだよね。


 話してくれて、ありがとうね。


 気づいてあげられなくて、ごめんね。


 もう、大丈夫だからね」




今の私も、涙を流していました。


こんな小さな私が精一杯我慢して

頑張っていたことを、心から愛しいと思いました。



  

    クローバー




5歳の私と向き合って、気付いたことがあります。


それは、


辛い経験そのものより、


それを誰にも言えないことの方が辛い、ということ。


誰にもわかってもらえず、


背負い込んでしまうことが、辛い。



それは密かに、心の澱(おり)となって積もります。




今回、思わぬアクシデントがきっかけで、

気づくことが出来ました。


正直、「相手のあるトラブル」であったことが

非常に残念でならなかったのですが、

おそらく

そのような状況で、

そのような感情の振り幅でないと、

気づかなかったのだと思います。



ちなみに、夫に責められたかどうか、について。



事情を話すと、一瞬顔色は変わりましたが

私が落ち込んでいる様子を見て

「そりゃ、凹むわなぁ汗」と同情してくれました・・・。




現実は、常に新しく進んでいます。




過去は過去。今は、今。




責められるのは、やっぱり、恐い。




でも、大人になった今の私には


ここまで生き抜いてきた力と、智恵がある。




新しい道を拓くのは、


今のままの私で出来ることなのだ、


と気づいた、今回の出来事でした。










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