ちょっと注意しただけなのに、突然部下が強い口調で反発してきた――。
「なんでそんな言い方を?」と腹が立つ一方で、
「自分の伝え方が悪かったのか…?」と不安になる上司も少なくありません。
現場でもオフィスでも、誰にでも起こり得る“逆ギレ問題”。
感情と責任の板挟みになったとき、上司はどう向き合えばいいのでしょうか。
今回、吉田部長が実際に聞いた相談をもとに、情熱課長といっしょに「前に進むための関わり方」を考えていきます。
■上司も感情的になって当然
吉田部長
情熱課長、今回は相談したいことがあるんだ。
ある現場で、上司が作業のミスを軽く注意したとき、
部下が突然声を荒げて、
「ちゃんと教えてくれない上司が悪いんじゃないですか!」
と、逆ギレしてしまってね。
その上司から相談されたんだけど、
うまく答えられなくて困ってしまった。
いっしょに考えてくれないか?
情熱課長
うーん…私なら、つい感情的になってしまいそうです。
「なんでそんな言い方をするんだ!」と。
参考にならない意見ですみません…。
吉田部長
いや、多くの上司はまず感情が動くと思うよ。
逆に私はね、「自分が悪かったのかな…?」と不安になって、
どうしていいか分からず、落ち着きを失うかもしれない。
情熱課長
吉田部長でも、そんなふうに感じることがあるんですね。
吉田部長
あるとも。
私たちの時代にはこんな反応はほとんどなかったから、
今の上司はほんとうに大変だと思う。
■意識のチェンジに挑戦!
情熱課長
本当に、指導することが難しい時代になっていますね。
でも、吉田部長がいつも言う
“意識のチェンジ” が必要なんだと感じます。
吉田部長
そうだね。このままだと
「部下を否定する」か「部下から逃げる」かになってしまう。
そうではなくて、
部下の中に何が起きているのか?
なぜ、そういう反応になったのか?
と問い直すことが、向き合う一歩目だよ。
情熱課長
なるほど…。
確かに、ただの反抗ではなく、
その背景に“何か”があるのかもしれませんね。
吉田部長
そう。
そのうえで、提案なんだが――
上司も腹を括って、こう聞いてみたらどうだろう?
「そう思ったんだね。
じゃあ、どう指導してもらえるとやりやすい?」
と、“部下に教えてもらう” んだ。
■でも、プライドが…!?
情熱課長
えっ…教えてもらうんですか?
上司のプライドが邪魔しないでしょうか。
なんだか頭を下げるようで抵抗がありそうです。
吉田部長
確かに、抵抗はあるよ。
でも、そのプライドのせいで前に進めないなら、
そこを乗り越えていくのが上司の役目かもしれない。
上司が歩み寄る姿勢を見せると、
部下も「この人はちゃんと向き合ってくれている」と感じ、
少しずつ前向きになれる。
■プライドを乗り越えると
情熱課長
本音で話せる空気ができれば、
「何に困っていたのか」「何を望んでいるのか」
部下も話してくれそうですね。
吉田部長
そうだね。
そして最後は、
「部下にどうなってほしいのか」
「部下自身はどうなりたいのか」
ここを丁寧に話し合う時間が必要なんだよ。
情熱課長
忙しさに追われて、
その対話の時間を取れていないことも多いですからね…。
これを機に、じっくり向き合うのは大事ですね。
吉田部長
そうだね。良い悪いの判断より、
まず“今起きていること”に目を向けることからだ。
情熱課長
そうですね。
「これからどうしたい?」
「どんなサポートがあると進めそう?」
そんな対話ができれば、信頼関係が深まりますね。
吉田部長
情熱課長も、ずいぶん成長したね(笑顔)。
その上司にも、いまの話をアドバイスしてみるよ。
そして孤立しないように温かく見守っていくよ。
■今回の質問
「反発してくる部下は、何を求めているのでしょうか?」
次回に続けます。お楽しみに!
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