ある造園業の経営者からの相談です。
「若手にスキルを教えても辞めてしまいます。
 どうすれば良いのでしょうか?」

 

造園業はスキルがそのまま形に残る仕事ですね。

 

筆者の私も今頃の季節、庭のツバキやツゲなど
新芽が出てくるので剪定作業に苦労しています。
いつも凸凹になってしまいます(笑)。

◆一人前が大きな壁になっていないだろうか?

 

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なぜ、せっかく教えても若手が辞めてしまうのでしょうか。
教える側は、一人前になるために一生懸命に教えているのに。

 

確かに一人前になることがプロとして大切なことです。
しかし教える側が、一人前を前提(基準)として
教えると、どうなるでしょうか。

 

若手のできないことが目につき
ダメ出しをしたくなります。


つい声も荒げてしまうことがあるかもしれません。

教えてもらっている若手にとって
ダメ出しばかりされると自信喪失になるか
あるいは反発したくなるかもしれません。

 

すると、若手は辞めたくなってしまいます。
我慢や根性が美徳とされた時代は、
ダメ出しでも通用しかたも知れません。

 

しかし仕事について丁寧に説明してくれることが
当然になっている若手には理解できません。

 

では、どうすればいいのか。

◆一人前というビッグゴールをスモールゴールに分ける

 

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造園業の仕事の中身はわかりませんが、
例えば、道具を整備できる
道具を使いこなすことができる

 

など、一人前になるためのステップを
細かくしたスモールゴールをつくってみましょう。

(実は、これはすべての仕事に共通することですが)

 

スモールゴールを決めて
できたところは「できたね」と承認してあげると
若手も嬉しくなります。

 

できていないスモールゴールは伸びしろとして
「これができると良いな」と期待してあげましょう。

◆心の三大欲求はいつの時代も不変

 

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人は心の三大欲求を持っています。
つながりたい(関係性)
できる感(有能感)
自分から感(自律性)

 

この心の三大欲求はいつの時代も変わりません。

 

一人前になるまでの道のりで、これらの欲求が満たされないと
繰り返しになりますがストレスが溜まり
自分を責めて心の病になるか
この欲求を満たせる他の場所を探し出します。

 

相談者のお悩みのように
『せっかく教えているのに辞めてしまう』ことになってしまうのです。

 

そこで、若手が三大欲求を満たせるように
スモールゴールを設け、ここまでできた「できる感」


次のスモールゴールを達成しようとする「自分から感」
を持てるように教えることがポイントになります。

 

日々、「できる感」と「自分から感」を持って
仕事に取り組めば、この仕事を続けたいという気持ちになります。
進んで一人前を目指していくでしょう。

◆若手の覚悟も必要

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ただ、若手を甘やかすことではありません。
若手本人が一人前になる覚悟も必要です。

 

そのために一人前になるまでの道筋を明確にして
「一緒に進んで行こう」と手を差し伸べ
「はい、わかりました!」と自らの覚悟を宣言させてください。

 

その覚悟を持った自分を誇らしく思えるでしょう。
だから教える側の熱意も
受け容れることができるのです。

◆今回の質問

【どんな教え方をすれば、
この会社で働き続けたいと思えるでしょうか?】

 

次回に続けます!お楽しみ!

 

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